古道の保全にと1万人が寄付 山歩きアプリ通じ計51万円

土を運んで熊野古道を修繕する道普請の参加者(昨年12月、和歌山県田辺市本宮町で)

 登山アプリ開発のヤマップ(福岡市)が、熊野古道の保全を目的に約50万円を和歌山県世界遺産協議会(会長=仁坂吉伸知事)に寄付した。アプリを通じ、全国の登山愛好者約1万人が協力した。

 ヤマップが運営するアプリ「YAMAP(ヤマップ)」は、スマートフォンを使って登山ルートを確認・記録できる。登山記録に感想やルート上の注意点などを書き加えて活動日記として投稿するSNS(交流サイト)機能もある。9月に累計330万ダウンロードを突破した。国内最大級という。

 アプリ内で発行している独自ポイント「DOMO(ドーモ)」は、利用者同士で送り合えるほか、植林や登山道整備の支援に活用できる。8月から10月にかけて熊野古道保全で寄付を募ったところ、ポイントと現金合わせて51万7357円が集まった。ポイントの原資はヤマップが負担した(100DOMO=1円)。

 寄付を受けた県世界遺産協議会は、古道を歩きながら保全活動をする「道普請」で使用する用具を購入した。アプリの利用者からは「古道保全の活動を初めて知った。次訪れる時は参加したい」「古道をいつか訪れるのを楽しみにしている」などの応援メッセージが寄せられたという。

熊野古道保全に寄付したヤマップのスタッフ(右)と受け取った山西毅治県世界遺産センター所長=和歌山県田辺市本宮町本宮で

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