Vol.00 再始動して見えてきたものは?2022年映像業界を振り返る[PRONEWS AWARD 2022]

スーパー35、クラウド、PTZなど今年のパワーワードに思いを馳せる

今年で第13回を迎える「PRONEWS AWARD」で2022年を振り返りたいと思う。3年ぶりに九州放送機器展や関西放送機器展が復活した。国内映像業界の活気が少しずつ戻ってきた。今年はCOVID-19感染状況が落ち着いている時期も多く、イベントは徐々に復活基調だった。会場に多くの人が集まり、久しぶりに顔を合わせ、にこやかに挨拶する光景が多く見られたことも印象的だった。

国内映像業界の核となる展示会Inter BEE 2022は今年もオンラインと幕張メッセでリアル開催された。登録来場者数は26,901で、昨年の18,308人を1.4倍ほど上回る実績となった。Inter BEE 2019の国際展示場ホール1〜8規模には程遠いが、昨年よりもたくさんの出展社で賑わっていた。来年はさらに復活することを願ってやまないところだ。

2022年も映像業界の話題には事欠かない。昨年から今年にかけて、ARRI ALEXA 35、ソニーFX30など"スーパー35"対応のカメラが各社から次々とリリースされたことも印象的だ。これまで監視カメラ領域だったPTZカメラも配信分野などで使用され、いよいよシネマの現場にも導入されるようになった。カメラそのものの存在も大きく変わろうとしているのもかもしれない。さらに「NAB show 2022」でパワーワードだった「クラウド」も各社のソリューションを見てもより身近なものになったと言えるだろう。

Inter BEEの展示会場では昨年よりも画面やパネルでサービスを紹介するクラウドソリューションは確実に増加し、それに伴い初出展企業も増えていた。さらに、カメラのフォーカス合わせやフレーミングなど映像業界にもAI、IT化の波が押し寄せていることが肌で感じられた。

PRONEWS AWARD 2022でわかる映像業界の潮目

PRONEWS AWARDは2022年の映像業界を大いに盛り上げた製品の中から、もっとも業界に影響を与えた技術・製品・サービス等をPRONEWS独自の視点で選ぶ賞のことである。編集部が、技術、市場性、将来性の視点から審査、選考し、表彰する。2022年は映像業界にとってどんな年だったのだろうか?「PRONEWS AWARD 2022」としてPRONEWS流に振り返りをして総括していこう。

今年のノミネート部門は、「カメラ部門」「レンズ部門」「マイク・ヘッドセット部門」「照明部門」「アクセサリー部門」「ポストプロダクション部門」「映像制作・配信部門」の合計7部門を設けた。対象製品は2022年1月1日から12月31日までに発売されたすべての製品やサービスだ。

この計7部門ごとに上位に選出された製品をリストアップし、ゴールド賞とシルバー賞を順次発表。そして再度全部門から映像全分野を振り返りPRONEWS AWARD大賞を年末に独断と偏見で選出したい。あくまでもPRONEWSが独断で選出することは、あらかじめご了承いただきたい。

年の瀬にふと手を休め、みなさんもいろんなことがあった2022年に思いを馳せながら各部門を予想していただきたい。各賞は順次公開していきたいと思う。

  • Vol.01:ミラーレスからシネマまで「カメラ部門」
  • Vol.02:映像撮影の要「レンズ部門」
  • Vol.03:音で動画の完成度を上げる「マイク・ヘッドセット部門」
  • Vol.04:基本性能が充実した高コスパモデルが多数登場「照明部門」
  • Vol.05:撮影環境を支える「アクセサリー部門」
  • Vol.06:映像編集を支える「ポストプロダクション部門」
  • Vol.07:映像制作、配信の効率化を実現する「映像制作・配信部門」
  • Vol.08:PRONEWS AWARD大賞 -2022年師走に思うこと

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