空気が澄み、天体観測に適したシーズンがやってきた。今月のふたご座流星群を皮切りに、この冬に楽しめる主な天文ショーを倉敷科学センター(倉敷市福田町古新田)の三島和久学芸員(52)の解説で紹介する。
ふたご座流星群
「三大流星群」の一つで、毎回、安定して多くの流星が見える。今回、出現数がピークの「極大」を迎えるのは今月14日の午後10時ごろ。下弦の月が空を照らすため観測条件は良くはないが、月の位置が低く影響の少ない午後10~12時であれば、1時間に20~30個ほどは確認できそう。
空のあちこちに現れるので、見逃さないよう見晴らしの良い場所で寝転がって見るのがお勧め。長丁場になるため暖かい格好で挑戦しよう。
ZTF(ズィーティーエフ)彗星の地球最接近
今年3月に発見されたばかりの彗星(すいせい)。来年1月13日に太陽に最も近づいた後、2月2日に地球に最接近する。日本を含む北半球で1月中旬から2月初旬にかけて見られ、北寄りの空で一晩中楽しめそう。
今はまだ暗いが、2020年7月のネオワイズ彗星以来の明るい彗星に“大化け”する可能性もある。
金星と土星の大接近
最接近は来年1月23日の朝方で、満月(直径約3500キロ)の3分の2ほどの間隔まで近づくが、このときは日本では見えない。見頃は午後6時半ごろ。西の低い空で“共演”するのが楽しめそう。細長い三日月も出て、ごく近い範囲で三つが並ぶ。
観測は西の方向が良く見える場所で。双眼鏡がなくても、肉眼でも十分観測できる。手持ちのスマートフォンでも撮影できるくらい、明るく輝く。
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これ以外にも、冬の星座は明るい「1等星」が四季の中で最も多く、赤いもの、黄色いもの、青白いものと彩りも鮮やか。「色合いに注目するなど、目的意識を持って観察してみよう」と三島学芸員。皆さんもきらめく冬の夜空を見上げてみませんか―。