音戸のまちづくり 大学院生が提案 渡船跡地を再利用 具体化を検討へ(広島・呉市)

広島・呉市で去年、廃止された「音戸渡船」の乗り場跡地を再利用した、新たな街づくりに学生たちが取り組んでいます。

大学院生
「歩いて初めてわかる音戸の魅力を引き出して、その雰囲気を後世に渡って多くの人に体験してもらうための街づくりを行います」

専門家や住民たちに街づくりの取り組みを発表しているのは、都市計画や建物の設計を学んでいる広島大学の大学院生です。

授業の一環として去年、廃止になった音戸渡船乗り場跡地を中心に音戸の街づくり計画を立てることにしました。

音戸渡船は、呉市 警固屋と対岸の音戸町のおよそ120メートルを結ぶ「日本一短い定期航路」として知られてきました。

その歴史は古く、およそ300年前に運航を始めたといわれています。

学生たちは、音戸の歴史や街の雰囲気を調べるため、2か月前から現地を訪れ、渡船乗り場や空き家を調査したり、住民から話を聞いたりして準備を進めてきました。

2つのグループが、10年後を目標年次としてプロジェクトまとめ、成果を住民たちに発表する形式です。

発表会では、渡船乗り場のデザインと合わせて、Aチームは、「歩いて巡りたくなる音戸まちづくり」をコンセプトにした「おんど、くるくる」。

Bチームは、「音戸の音と人々の来訪」をコンセプトにした「おとずれるまち音戸」をそれぞれ、プレゼンテーションしました。

Aチーム
「窓であったり、古材を取り付けることで開放感があって懐かしいようなカフェを作ります」

Bチーム
「満潮時に大きな船が通る際には、瀬戸内海でも波の音を聞く事もできました」

プレゼンテーションを聞いた人たちからは、「古いものだけにこだわららず、スタイリッシュなものも取り入れたほうがいいじゃないか」「一度、住んでみたらどうか」など、さまざまな意見が出ました。

住民
「地元の人とコミュニケーションをとって、良くしようという気持ちがすごく出てたと思います」

プレゼンをした学生たち
「街づくりと建築をからめるうえでは、実際に住んでみるのも大事なことなんだなと確認できたかな」

「街づくりの中で建築をどう造っていくかが難しかったです」

今後は、学生たちが作成したプロジェクトをもとに、専門家や行政と協力して具体化する予定だということです。

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