「いい結果が出るよう祈りたい」“袴田事件”再審開始求めて都内で支援者集会 著名人や国会議員も参加

1966年、静岡県の旧清水市で一家4人が殺害された、いわゆる「袴田事件」の裁判のやり直し=再審をめぐり支援者集会が東京都内で12月12日に行われ、国会議員や著名人も参加しました。検察側に即時抗告を取り下げ、すぐに再審を開始するよう求めています。

<漫画家 やくみつるさん>

「支援されるみなさまには、再審を勝ち取った時のことをイメージしていただきたい。ぜひ、いい結果が出るように私も祈りたい」

1966年、旧清水市のみそ製造工場で専務一家4人が殺害された、いわゆる「袴田事件」をめぐっては事件の犯人とされ死刑が確定している袴田巖さんの再審をめぐり、東京高裁で2度目の審理が行われています。

12日、都内で開かれた支援者集会には、映画監督の周防正行さんや漫画家のやくみつるさん、塩谷立衆院議員などが参加し、検察に即時抗告を取り下げ、すぐに再審を開始するよう求めました。

<弁護団長 西嶋勝彦弁護士>

「巖氏を再び収監せよという(検察側の)主張に至ってはとんでもない。主張を撤回せよ、ということで強く迫りました」

袴田さんの姉、秀子さんは浜松市内の自宅からメッセージを寄せました。

<袴田巖さんの姉・秀子さん(89)>

「再審開始になると思っています。(検察は)再収監とか何とか言ってるけど、そんなのもう再審開始になれば一蹴されます。私は安心しております。だから、早く再審開始をよろしくお願いします」

袴田さんの再審請求をめぐる審理は12月5日に終結。争点は犯人が事件の際に着ていたとされ、1年2か月後にみそタンクの中から見つかった「5点の衣類」。

弁護側は血痕にみられた「赤み」に着目し、「血痕を長期間みそにつけると赤みは残らない」と結論付け、「5点の衣類」は発見前に捏造されたものだと主張。一方で、検察側は独自の実験を行い、長期間みそ漬けにしても血痕の赤みが残る可能性はあると主張しています。

大詰めを迎えつつある「袴田事件」。東京高裁の裁判長は、2022年度内にも再審の可否について判断する意向を示しています。

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