G7広島サミットに向けた”核なき世界”への議論が進められています。
岸田総理が立ち上げた国内外の有識者が集まる国際賢人会議が開かれました。
岸田総理大臣「各国の立場を離れて自由闊達な議論を行う国際賢人会議の意義を体現するような会合になったのではないか」
G7広島サミットまで半年を切り行われた初めての国際賢人会議。
最終日の11日に出席した岸田総理は開催の意義を強調しました。
ビデオメッセージを寄せたアメリカのオバマ元大統領が訴えたのは「核なき世界への責任」です。
アメリカ オバマ元大統領「(2016年に)初めて広島を訪れたことはこれからも忘れることはない。私たちは次の世代に対し核兵器のない世界をめざす責任がある」
10日、11日の2日間の会議には国内外の12カ国から安全保障や軍縮の専門家らが参加しました。
アメリカオバマ政権のゴッテメラー元国務次官をはじめ中国やロシアなど核保有国からも有識者が広島に集まりました。
広島市 松井一実市長「広島長崎の問題ではなくて世界と人類全体の問題なんだと分かってもらうことが全ての始まり」
会議では8歳のときに現在の己斐本町で被爆した八幡照子さん(85)が体験を話しました。
委員からは「放射線の被害はいつごろ分かったのか」「被爆後はどのように生きてきた」などの質問が出たそうです。
八幡照子さん「たった1つの被爆国、その被爆者として命の限り残酷な核兵器の結果がどうなるかをずっと伝え続けたい」
会議後、核兵器禁止条約に消極的な姿勢を問われた岸田総理は、政府が目指す核保有国と非保有国との「橋渡し」を成果に上げました。
岸田総理大臣「各国の立場を離れて率直な意見交換をする。これはまさに橋渡し役として大きな役割を果たすことにつながるのではないかと思う」
次の会議は来年5月のG7サミット前に開き、サミットでの議論につなげたいとしています。
「核なき世界へ」機運は高まるのでしょうか。