【追う!マイ・カナガワ】丹沢の山小屋、楽しく安全にお別れ 求む解体ボランティア

丹沢表尾根の新大日山頂で崩壊が進む山小屋「新大日茶屋」=4月

 丹沢表尾根の新大日(標高1340メートル)山頂で崩壊が進む山小屋「新大日茶屋」の解体日程が決まった。作業は来年1月下旬までに3回行われ、1回目は今月17、18日に行われる。

 一連の「追う! マイ・カナガワ」の記事を機に設立された有志団体が主催。団体は解体費用やボランティアの保険にかかる費用の一部を寄付で募る考えで、代表者は「さまざまな形で多くの人に関わってもらい、楽しく安全にお別れできれば」と話す。

 「表丹沢サンクスプロジェクト」と題した解体作業は12月17、18日、来年1月14、15、21、22日の6日間で、主にボランティアの力を借りて行われる。

 解体作業はいずれも午前10時から。日帰りはもちろん、1泊2日での参加も可能だ。その際は同プロジェクトに参加する木ノ又小屋または花立山荘に無料で宿泊ができる(12月17日宿泊分は満床)。

 荷下ろしは解体した廃材のうち、空き瓶や木片などボランティアが持ち帰れる範囲で行う。集積場所は戸沢の出合、大倉、ヤビツ峠の3登山口に設置される。同プロジェクト代表の神野雅幸さんは「荷下ろしは重心が安定せず難しい。空き瓶一つ、木片一つなど、無理のない範囲でみんなで楽しくやりたい」と話す。

 解体に先立つ今月3日には、有志が戸沢の出合から新大日茶屋へ向かう登山道「政次郎尾根」の修復作業を行った。

 東京神奈川森林管理署の協力を得ながら作業を進め、急な段差解消のために土のう袋が置かれたほか、崩れかけていた土留めを修復した。「急登が続く登山道だが、格段に良くなった」と神野さん。歩きやすくなった登山道で、快適な作業に期待を寄せる。ただし、山頂付近は寒い日もあり、作業を行う際の防寒対策も呼びかけている。

 寄せられた寄付は、解体費用や保険料、山小屋宿泊料などに充てられる。振込先は、ゆうちょ銀行、記号番号10990、番号26304681、口座名「表丹沢登山活性化協議会」。他行から振り込む場合は店名〇九八、店番098、口座番号は普通2630468。問い合わせは同協議会フェイスブックで。

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