任期満了に伴う静岡県三島市長選挙が12月11日告示され、現職と新人、あわせて3人による選挙戦に突入しました。立候補しているのは届け出順に、
▼新人で会社経営の近藤正文氏(46)
▼現職で4期目を目指す豊岡武士氏(79)
▼新人で元・三島市議の石井真人氏(43)の3人です。
三島市は、移住者の数が静岡県内の自治体でトップという活気ある街です。その「かじ取り役」を選ぶ1週間の選挙戦が始まりました。
<現職・豊岡武士候補(79)>
「市民の皆さんが笑顔いっぱいで暮らせるまちづくりを進めるのか、そうではなくて衰退の道をたどって、人通りがなくなってしまうようなまちづくりを選ぶのか、そのどちらを選ぶかが今回の選挙だと考えています」
現職の豊岡さんの出陣式。三嶋大社前を支援者が埋め尽くし、静岡県議や三島市議のほか、推薦を受ける公明党や連合からも応援が駆け付けました。3期12年の実績をもとに、企業誘致による地域経済の活性化、コロナ対策や物価高騰対策など、市政の継続を訴えます。
<豊岡武士候補>
Q.たすきに付いている下駄は?
「これは、かったかったと下駄の音がするようにと支援者が作ってくれたんです。熱く応援してくださっているので本当に感謝しています」
支援者が作ってくれた縁起物とともに4回目の当選を目指します。
<新人・石井真人候補(43)>
「三島に住むすべてのみなさんが幸せを実感できるような、そういう街にしていきたいんです。いまの政治を変え、財政を立て直す。本当に困っている人にお金を使えるような三島市に変えたい」
新人の石井さんの出陣式には、推薦を受ける自民党三島市支部や日本維新の会県本部の関係者などが顔をそろえました。石井さんは、浜松市職員を経て、2019年に三島市議に初当選。市長選は2回目の挑戦で、財政再建で財源を確保した上で、子育て世代への支援の充実やスピード感のある市政などを掲げます。トレードマークはスニーカー。若さを生かして、フットワーク軽く走り回ります。
<石井真人候補>
Q.フットワークが軽いですね?
「ずっと走り回っています。自分の政治信条が地域のみなさんのところに飛んでいくというスタイルでこれからもやっていきたい。フットワーク軽い市長を目指していきたいですね」
<新人・近藤正文候補(46)>
「いまから大事なのは子育て世代です。ここを増やさないと行政サービスは必ず成り立ちません。ママも、パパも、医療費無料。子育てのまち三島、このキャッチフレーズで三島市はやっていきましょう」
近藤さんは、大阪府堺市出身で三島や大阪などで飲食店を経営しています。医療費の無料化を子育て世代まで広げることや早朝から子どもを預けられる保育ステーションの設置などを掲げます。草の根の選挙を展開する近藤さんは、歩いて遊説しつつ、選挙ポスターを貼ってまわります。
<街の人>
「がんばってくださーい」
<新人・近藤正文候補(46)>
「ありがとうございます」
Q随分独自ですね?
「私はそういうの(従来のスタイル)は好きじゃないので、やらないと決めてます。きょうはスーツだけど、あすからは私服でやろうと思ってます」
三島市は2021年度、移住者の数が静岡県内の自治体でトップでした。街には、若い人の姿が多く見られます。そんな活気ある街でいま、進められているのがJR三島駅南口東街区の再開発事業です。市が所有する土地に広域医療拠点や商業施設、住居などを備えた複合施設を建設する計画で今回の選挙の最大の争点になっています。総事業費は、およそ209億円で、市の支出は補助金を含めておよそ37億円です。
<豊岡武士候補>
「これは市民の悲願でもありますので、私が責任をもって絶対に作り上げていきたい。三島市の財政力は(全国約800市で)100番以内にございます。ですから、ご安心いただきたい」
<石井真人候補>
「静岡県からの要請事項もあったり、費用便益分析について、まだ不透明な部分があるので、そこをしっかり検証したうえで開発を進めるというスタンスでいます」
<近藤正文候補>
「反対ですね。いま、円安で物価もすべて高くなっているし、庶民の生活も値上げなどですごい大変な状況で、コロナもありますし、その状況ではハコモノを作るのはどうなのかな」
また、築60年を超え老朽化が目立つ市役所の建て替えも論点のひとつです。豊岡さんは「建て替えが必要」でワークショップなどで市民の意見を聞く、石井さんは「建て替えは必要」としつつ、公民館などを活用した分散拠点化を主張、近藤さんは耐震補強も行われていて、まだまだ使用できるとしています。
現職と新人がそれぞれの意見を戦わせる7日間。三島市長選は12月18日の投開票です。