今井町の繁栄を今に遺す旧宅【旧米谷家住宅|橿原市】

今井町の繁栄を今に遺す旧宅【旧米谷家住宅|橿原市】

場所は、奈良県橿原市今井町。
江戸時代には、「大和の金は今井に七分」と言われるほど栄えた地域として知られる。
今を生きる人々と、古くから遺る文化財が共存している日本有数の寺内町。

なかでも『旧米谷家住宅』は、どこか懐かしい佇まい。
かつて金物商を営み、重要文化財にも指定されている建築物だ。

立派な玄関をくぐると、広々とした土間と大きなかまど、何十畳もの座敷がお出迎え。
昔の生活様式が色濃く残る風景だ。

土間の真ん中あたりには、大小5つのかまどが並ぶ。
かまどの土台は、緩やかなカーブを描いており、まるで勾玉のよう。
現代のアイランドキッチン。
昔も今も、人が考えることは一緒みたい。

「ここから見える風景が好き」と話すガイドさん。

火の加減を見ながら、料理を作り、土間にいる人の様子をうかがう。
江戸時代の人々も見たであろう風景を、ここから眺めてみてはいかが?

丁稚達は屋根裏、今で言うロフトで寝泊まりしていた

見どころは、下ばかりだけではない。
視線を上げてみると、大きな梁と煙出しが見える。
現代の家屋では見られない、風情ある日本建築にふれたい。

今井町は魅力的な古い街並みとして、映画やドラマの撮影場所として使用されることが多い。
『旧米谷家住宅』は、「るろうに剣心 最終章 The Beginning」の撮影場所として利用された。

幕末に建てられた内蔵・蔵前座敷

角度を変えると、違った雰囲気を身にまとう蔵前座敷

裏庭には内蔵と、数寄屋風の蔵前座敷が建つ。
1849年に建てられ、ここでは商談が行われていたそう。

この蔵前座敷の、とある場所をよ~く見ると、幕末からずっとこの場所を気に入って止まり続ける小鳥の姿が。
どこにいるか、探してみよう!

9~17時見学できるけれど、12~13時のお昼タイムは一時お休み。
ボランティアガイドさんが、ユーモアあふれるお話をしてくれる。

昔の人々が、ここでどういった生活をしていたか想いを馳せてみて。

旧米谷家住宅

  • 住所/奈良県橿原市今井町1-10-11
  • 電話/0744-23-8297
  • 営業時間/9:00~17:00備考/12:00~13:00は閉館
  • 定休日/年末年始(12月25日~1月5日)
  • 駐車場/無(近隣に有料P有)

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