「浪江水素ステーション」開所 相双地方初の商用定置式供給所

浪江水素ステーションの開所を祝いテープカットする関係者

 伊達重機(浪江町)と日本水素ステーションネットワーク合同会社(東京都)が浪江町川添に整備してきた定置式水素ステーション「浪江水素ステーション」が12日、開所した。商用の定置式水素ステーションの開設は相双地方で初めてで県内3例目。現地で開所式が行われ、関係者が水素社会実現に向け思いを新たにした。

 式には関係者ら約80人が出席。神事では、水素事業を担当する伊達重機の前司昭博専務が「復興を目指す浪江から持続可能な社会の実現に向け水素を提供していく」とあいさつ。テープカットの後、開所を祝い同社の前司昭一社長がトヨタ自動車の燃料電池車(FCV)の「MIRAI(ミライ)」に水素を充填(じゅうてん)した。

 浪江水素ステーションは、伊達重機の敷地約1500平方メートルに充填装置や事務所などを設けた。1時間当たりFCV約5台分の充填ができ、1キロ当たり約1500円。水素は町内に立地する福島水素エネルギー研究フィールドで製造された再生可能エネルギー由来の「グリーン水素」を活用し、水素の地産地消モデルを構築する。総事業費は約5億円で、国、県、町の補助金を活用した。営業時間は午前9時~午後6時で、日曜日と祝日は休み。場所は浪江町川添字上加倉67の1。問い合わせは電話0240.25.8001へ。

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