同時流行の兆しか…インフルで学級閉鎖 埼玉で2年9か月ぶり実施 別エリアの県立高2校、あすまで

埼玉県庁=埼玉県さいたま市浦和区高砂

 大野元裕埼玉県知事は12日、県東部と南部の県立高校計2校で季節性インフルエンザによる学級閉鎖が行われると発表した。県保健体育課によると、小中学校を含む県内公立学校で季節性インフルによる臨時休業が行われるのは20年3月以来で、今季初めて。大野知事は「地域の異なる県立高校でインフルによる学級閉鎖が発生したことで、新型コロナとのツインデミック(同時流行)の兆しも疑われる」とし、県民に改めて感染防止策の徹底、検査キット事前購入、ワクチン接種を呼びかけた。

 2校の県立高では計7人の生徒の季節性インフル陽性を確認。いずれも12日から14日まで、学級閉鎖が行われる。

 一方で新型コロナウイルス陽性者も「第8波」の微増傾向が続いている。今月6、7日には連日、1日8千人以上の新規陽性者を確認。最大7千人台だった1月から2月にかけての「第6波」のピークを超える高い水準で推移している。

 こうした状況に、県内医療提供体制の負担も増え、11日時点の即応病床使用率は77.6%(1180人/1521床)、うち重症者用病床は31.8%(21人/66床)となっている。

 大野知事は外出機会が増える年末年始に向け、さいたま、川越、熊谷、越谷市に開設する県内4カ所の県ワクチン接種センターで高校3年生らが対象の特別稼働日を設けると説明。さいたま、越谷の会場では金曜日の接種受付時間を2時間延長し午後9時までとするとした。

 県によると県内全人口の新型コロナワクチン4回目接種率は10日時点で40.2%。

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