インカレバスケ、白鴎大が男女ともに準V

第3クオーター8分、白鴎大の鈴置(中央)が鋭いドライブでファウルを誘う=代々木競技場第二体育館

 バスケットボールの第74回全日本大学選手権大会(インカレ)最終日は11日、東京都の代々木第二体育館で男女の決勝を行い、男子の白鴎大(関東1位)は東海大(関東1位)に51-54で競り負けた。女子の白鴎大(関東1位)も東京医療保健大(関東2位)に52-77で敗れ共に準優勝だった。

 男子の白鴎大は序盤でペースをつかめず第1クオーター(Q)で2-15と苦しんだ。第2Q以降で徐々に盛り返し、3点ビハインドで迎えた第4Qは一時41-39と逆転。しかし、直後に再逆転されると、その後は一進一退の中でリードを奪えなかった。

 女子の白鴎大は序盤から得点を伸ばせない中、守備で耐え前半を24-30で折り返した。点差は第3Qの立ち上がりで15点にまで広がったが、そこから粘って一時8点差まで接近。しかし、その後は徐々に離された。

 個人賞は男子の敢闘賞に脇真大(わきまさひろ)、優秀選手賞に関屋心(せきやこころ)、女子の敢闘賞にオコンクウォ・スーザン・アマカ、優秀選手賞に田中平和(たなかうふぉま)がそれぞれ白鴎大から選ばれた。

■序盤の停滞、尾を引く

 連覇を目指す男子の白鴎大の野心は前回の雪辱に燃えた東海大の気迫にはね返された。歴代でも一、二を争うロースコアゲーム。その中で序盤の出遅れが最後まで尾を引いた。

 4年生のミサカボ・ベニは「堅い立ち上がりになってしまった」。外に広く、内への収縮も速い相手のゾーンディフェンスを前に攻撃が停滞。テンポ良くパスが回らず、難しいシュート選択を強いられて第1クオーター(Q)はわずか2得点に封じられた。

 それでもここから脅威の追い上げを披露。脇真大(わきまさひろ)の力強いドライブやジョエル・モンガのインサイドで盛り返し、第4Q2分で41-39と一時逆転に成功した。

 それが可能だったのも、真骨頂の粘り強い守備があったからこそ。ガードの関屋心(せきやこころ)は「泥くさいプレーや守備を全力でできた部分は評価していい」と胸を張り、ベニも「白鴎らしさは出せた」とうなずいた。

 当初、「個の力はあるが一つになれない」(網野友雄(あみのともお)監督)という4年生だったが、ギバ賢(けん)キダビング主将を中心に結束力を高めてきた。最後にチームとしてまとまり、戦い抜いた姿勢を指揮官は「誇りに思う」とたたえた。

 来年は現チームでもエースの脇やモンガを中心に再び頂を目指すことになる。「あと一歩届かなかった日本一をまた取りにいく」と脇。悔しさを胸に刻みながら選手たちはまた走り出した。

■リズムつくれず唇かむ

 6年ぶりの頂点を狙った女子の白鴎大は、4年連続の決勝での対戦となった東京医療保健大に及ばなかった。佐藤智信(さとうとしのぶ)監督は「自分たちのリズムをつくれなかった」と唇をかんだ。

 相手のプレッシャーの前に序盤からシュートが決まらず、主力の3年生三浦舞華(みうらまいか)は「やっと流れをつかんでもターンオーバーで手放してしまった」。第3クオーターは三浦のドライブなどで盛り返したが、勢いは長続きしなかった。

 三浦は「毎年やられ方が同じ。最後は気持ちだと思うのでメンタルを強くしたい」。同じ3年生の田中平和(たなかうふぉま)も「4年生から学んだことを生かし来年は絶対に優勝する」と強い覚悟をにじませた。

第1クオーター6分、白鴎大のジョエル・モンガ(左から2人目)がシュートを放つ=代々木競技場第二体育館

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