世田谷区の農地が“農業公園”に…ミカン狩りイベントは大盛況 区の狙いは?

世田谷区は桜丘にある農地を新たに「農業公園」として管理する計画を明らかにしました。区内で設置が進む農業公園とはどういったものなのでしょうか。また、その背景を探りました。

世田谷区桜丘にある農園で12月11日に開かれたミカン狩りのイベントでは、近隣住民を中心に2000人近い家族連れなどが訪れ、大いににぎわいました。訪れた人たちは「切るところや見つけるところが楽しい」「思った以上に盛況で、ミカンも食べながら取れるので、子どもにとって楽しいと思う。良かった」などといった声も聞かれました。

住宅街の真ん中にあるこの農園は元々、地元農家の農地でした。現在は世田谷区が農業公園として管理し、選ばれた4つの事業者と共にミカンの栽培やイベントの運営を行っています。なぜ、区は農地を公園にするのでしょうか。世田谷区の保坂展人区長は12月12日の会見でその理由について「農業公園にするということは世田谷区の農の風景を保全し、農業体験などを通して都市農業の重要性を広く伝えていくこと。同時に、減少する農地を保全するための具体的な対応策でもある」と説明しました。世田谷区は東京23区の中で練馬区に次いで2番目に広い農地面積を誇ります。しかし農地は年々減少していて、世田谷区は農家が売り出す農地を買い上げて農業公園として管理することで区内の"緑”を残す狙いがあります。

こうした取り組みに対し、区民からは「自然との触れ合いと、おいしいものがいっぱい食べられる。コミュニケーションにもなるしいい」「体験できるところは残した方が大人にも子どもたちの将来のためにもいいと思う」といった歓迎する声が聞こえてきます。今後、桜丘の農業公園には子どもたちが遊べる広場やワークスペースなども整備し、住民がより一層集まりたくなる場所を目指していくということです。桜丘の農業公園は2025年度までに整備され、開園する予定です。

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