文学賞受賞の創作童話が本に 山中さんの「森のポストをあけてごらん」

「森のポストをあけてごらん」山中真理子

 和歌山県田辺市磯間の山中真理子さん(66)が創作した童話「森のポストをあけてごらん」が、ポプラ社(東京都)から出版された。山中さんは10年以上、子ども向けの物語を書いている。自身の作品が本になるのは今回が初めて。「たくさんの人の力が合わさって、1冊の本ができるんだと実感した。関わってくれた方に感謝したい」と話している。

 山中さんはこれまでさまざまな文学賞に応募。2012年に児童文学の登竜門「小川未明文学賞」で大賞に次ぐ優秀賞、13年に「坊っちゃん文学賞」の最終審査に残るなどの実績がある。

 今回出版した作品は、森に荷物を届ける配達員が主人公のファンタジー。今年1月に「第7回浜松市森林(もり)のまち童話大賞」(浜松市主催、応募総数448点)で最高賞の「大賞」を受賞した物語が基になっている。「森林」をテーマにした作品を募集する文学賞で、書籍化は大賞受賞作品のみ。本の帯には「森林のまち童話大賞」の審査員で、児童文学作家の角野栄子さんからのコメントも入っている。

 山中さんは「せっかく本を出す機会を頂けたので、これからも書き続けたい」と話している。

 書店やインターネットで販売している。A5判71ページ。1320円。

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