倉敷・真備 有井橋の架け替え完了 26日開通、決壊の堤防より高く

架け替え工事が完了し、26日に開通する有井橋

 西日本豪雨で堤防が決壊した倉敷市真備町地区の末政川に架かる有井橋(同町有井)の架け替え工事が完了し、26日に開通する。県が進める豪雨後の災害対策の一環で、安全性を向上させるため、堤防より高く橋の位置を変更。工事で生じていた周辺道路の渋滞緩和に向け、来年3月末だった完成予定を前倒しして整備した。

 橋は長さ24.3メートル、幅13メートル。片側1車線で、両側に歩道も設けた。県が行う末政川の堤防強化に合わせ、従来より橋の位置を約3メートル高くした。堤防の切れ目の低い部分をつなぐ構造を変更。切れ目の部分をふさいで堤防上部を通過する形に見直した。事業費は約5億円で、半額を国補助金で賄った。

 豪雨の際は、堤防の切れ目を板でふさぐ設備「陸閘(りっこう)」が閉じられなかったことなどが原因で下流の堤防が決壊したとされる。橋の架け替えにより、陸閘は廃止となる。橋を含めた市道の約200メートル区間を通行止めにし、昨年4月から工事を進めていた。

 橋は商業施設が並ぶ幹線道に接続。工事期間中は南側の国道486号を迂回(うかい)路としていたが、周辺の一部で渋滞が発生し、住民から早期開通を求める声が上がっていた。

 26日は午後2時から安全確認を行った後に開通する。県備中県民局は「『一日も早く』との思いで建設など関連業者と連携して工期を圧縮した」としている。

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