【こりゃ、なんでぇ岡山】ニコニコ岩(玉野市渋川) 三つの割れ目で「笑顔」

割れ目が笑っているように見えるニコニコ岩

 瀬戸大橋を望む瀬戸内海国立公園にある王子が岳(玉野、倉敷市)の山頂近く。ごつごつとした白い花こう岩の巨石群の中で、ひときわ大きな岩がでんと居座る。

 三つの割れ目が横に入っているだけだが、目を細めてにんまり笑っているよう。海風を受け、心地よいのだろうか。見ているこっちまでほのぼのとした気持ちになってくる。高さ6メートルの通称「ニコニコ岩」だ。

 「たまの観光ボランティアガイドの会」の大倉和法さん(79)=玉野市=によると、王子が岳は古くから修験道の霊山と知られ、今も石の法具などが残る。「巨岩には神様が宿ると信じられてきた。この岩も神聖なものとしてあがめられたはず」と話す。

 近年は若者を中心に写真映えスポットとして人気が高まっているという。記者が取材した日は結婚式の前撮りでカップルが訪れていた。笑顔は時代が変わっても人々を引きつけ、いろいろな縁をつないできたのだろう。

 アクセスメモ 王子が岳山頂付近の観光駐車場までは瀬戸中央自動車道児島ICから東に約9キロ、車で約20分。駐車場の南西約200メートルにある王子が岳パークセンターから、南東に300メートルほど遊歩道を進むと、姿が見え始める。

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