G7サミット「核兵器廃絶」議題に 長崎、広島両市長 岸田首相へ要請

岸田首相と面会後、取材に応じる松井広島市長(左)と田上長崎市長=13日午後、首相官邸

 田上富久長崎市長と松井一実広島市長は13日、官邸で岸田文雄首相と面会し、来年5月の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)で「核兵器廃絶」を議題の一つにするとともに、各国首脳による平和記念資料館の視察や被爆者との対話が実現するよう要請した。
 面会は冒頭を除き非公開。両市長によると、岸田首相は「被爆地として要請は理解できる」などと答え、議題設定について今後、参加国と調整が必要との考えを示したという。
 両市長は併せて、広島サミットの1週間ほど前に長崎市で開かれる保健相会合でも、各国閣僚が長崎原爆資料館を視察し被爆者と対話することで被爆の実相に触れる機会をつくるよう求めた。また、唯一の戦争被爆国として政府の一刻も早い核兵器禁止条約の署名・批准と、来年11月に開催予定の締約国会議へのオブザーバー参加をあらためて要請した。
 面会後、記者団に対し松井市長は「要請をしっかり受け止めてもらい、検討すべき問題との認識を首相に示してもらった」と手応えを語った。田上市長は広島サミットの意義に触れ「核保有国のトップが被爆地にそろう初めてのケース。被爆の実相に触れ、核兵器のない世界にどう近づいていくのか議論されれば非常に大きな一歩になる」と期待感を示した。

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