【速報】熱海市と静岡県全面的に争う姿勢 遺族「神経を逆なでする以外の何物でもない」約64億円の損害賠償求める熱海土石流民事訴訟第1回弁論

27人が死亡し(災害関連死含む)、1人が現在も行方不明となっている2021年7月に発生した静岡県熱海市の土石流災害をめぐり、盛り土の危険性を認識していながら、必要な措置を取らなかったとして、遺族らが熱海市と静岡県に対し、約64億円の損害賠償を求めた裁判の第1回口頭弁論が12月14日午前開かれ、被告の熱海市と静岡県は、全面的に争う姿勢を示しました。

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裁判所に入る原告団=14日午前10時ごろ、静岡・沼津市

訴えているのは、熱海市伊豆山地区で起きた土石流災害の遺族や被災者ら110人と3つの法人です。

訴状によりますと、土石流災害の原因となった違法な盛り土について、熱海市に対しては、危険性を認識していながら撤去するなどの是正措置をとらず、土石流の発生当日には避難指示を出さなかった、静岡県に対しては、森林法の適用を見送り熱海市へ措置命令を出すよう指示しなかったなどとして、熱海市と静岡県に対して、約64億円の損害賠償を求めています。

12月14日午前10時半から静岡地裁沼津支部で開かれた第1回口頭弁論で、被告の熱海市と静岡県は、請求棄却を求め、全面的に争う姿勢を示しました。

裁判では、原告の「被害者の会」代表瀬下雄史さんが意見陳述し、「管理責任者として不適切な対応をしてきた行政に対しても許せない思いでいる。その時々の場当たり的な言い訳を是とする熱海市の対応は被害者の神経を逆なでする以外の何物でもない」などと強く非難しました。

盛り土を巡っては、遺族らが現在と前の土地所有者に約58億円の損害賠償を求める裁判がすでに進められていて、今後は、今回の訴訟とあわせて審理されることになります。

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