家計の大きな「固定費」になっている定額サービスは、月いくらまでが妥当か? 年末までにやっておきたい見直し

現在では、音楽や映画、家電、ファッションなど数多くの定額サービスがあります。知らないうちに積み重なっている定額サービスは、月いくらまでにしておくのが妥当なのでしょうか。また、家計の固定費になりつつある定額サービスを見直す方法についても解説します。年末を迎え、出費が多くなるこのタイミングで、定額サービスを見直してみましょう。


定額サービスで良く利用されているジャンル

定額サービスで良く利用されているジャンルは、「動画配信」そして「音楽配信」でしょう。この2つの定額サービスを合わせて利用している人の割合はかなりの数にのぼると推測されます。

2021年のICT総研「2021年 有料動画配信サービス利用動向に関する調査によると、利用している動画配信サービスの1位は「Amazonプライム・ビデオ」で、全体の70.2%とかなりの割合を占めています。2位の「Netflix」が28.1%ですので、差が顕著に表れています。では、それぞれのサービス利用料はどのくらいなのでしょうか。

【画像1】主な有料動画配信サービス名称と利用金額

Amazon プライム・ビデオは月額500円とお得な料金設定ですが、その分オリジナルコンテンツの数が少ないという特徴があります。ただ、都度課金することによって、観たい作品を観ることができます。

NetflixはAmazonプライム・ビデオとは逆に、オリジナルコンテンツが豊富にそろっている点が特徴です。バリエーションも豊富なため、「話題の作品を早く観たい」と考える人におすすめです。

人気の音楽配信サービスは、1位がAmazonのPrime Music、2位がSpotify、3位がApple Musicです(2022年 ICT総研調べ)。また、それぞれの利用料金は以下のとおりです。

【画像2】人気の音楽配信サービス名称と利用金額

Prime MusicはAmazonのプライム会員なら追加料金を支払うことなく利用できる音楽配信サービスです。Apple Musicの利用料金は、10月までSpotify と同じ980円でしたが、11月より1,080円に値上げされました。どうしてもApple Musicでなければダメだという環境でない限り、Spotifyでも十分楽しめますので、値上げが気になる人はSpotifyを利用してみましょう。

定額サービス利用に妥当な金額は?

定額サービスの利用に妥当な金額は、収入によっても多少異なります。

家賃や光熱費、食費などを除くと娯楽費は手取り額の15%程度になることが多いです。そのうちの定額サービスの利用料の目安としては、娯楽費の10%程度に抑えるようにしましょう。たとえば、手取り金額20万円~30万円の場合3,000円~5,000円が妥当な金額といえそうです。

定額サービスの見直し方法と注意点

使っていない定額サービスはすぐに停止すべきです。

利用したくなったらまた登録し直せばいいのです。特に同じジャンルの定額サービスを複数利用している人は、どれか1本の利用に絞ってみることを考えましょう。1本に絞って、2~3ヶ月過ごしてみても気にならなければ、そのまま1つのサービスを利用することで、利用料金を節約できます。

また、定額サービスの多くは無料のお試し期間を設けています。お試し期間が終了すると、課金が開始されるわけですが、試しに使い初めてあまり興味を持たなかった定額サービスだと、お試し期間の存在自体を忘れてしまうことがあります。そうなると知らないうちに課金されているという事態に陥ってしまいますので、無料期間がいつまでなのかはきちんと把握しておきましょう。

もしくは、毎月の支払いを管理しておき、どの定額サービスにどのくらい払っているのかを確認することも大切です。うっかり無料のお試し期間を過ぎて課金されているものも、このように確認しなければ気付かないケースが多くみられます。

定期的な見直しを忘れないことが大切

定額サービスの料金は家計の中では固定費に位置付けられるため、一度見直すとその効果が継続します。そのため、家計の見直しにおいて、定期的に行いたいものの1つです。特に値上りのタイミングは、見直しを行う絶好のタイミングであることを覚えておきましょう。

月100円の値上りは、年間1,200円の値上がりです。これだけで新しい定額サービスが契約できる額になります。値上げのタイミングでは、このまま継続して利用するだけの価値があるかどうかを考え、必要なければ解約し、もっと利用料金の低い定額サービスに切替えることが、見直しにおける最大のポイントです。

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