「やけどをなくそう」本に 三和区出身ヘアクリエーター・上野和彦さん各界著名人からの色紙・メッセージなど約400人分収録

 三和区出身で「日本熱傷ボランティア協会」会長を務めるヘアクリエーター、上野和彦さん(70)が12日、各界の著名人約400人から寄せられた色紙やメッセージを収録した本『おかげさまで 日本熱傷ボランティア協会50th』(風媒社)を出版した。売上金の一部は熱傷基金募金へ寄付する。

「励ましの言葉の数々が、やけどの後遺症に悩む人に勇気を与え、明るい気持ちで暮らしていく力になれば」と語る上野さん

 同協会は1975年、やけど予防や医療の改善を求め、上野さんが設立。後遺症に悩む人たちを元気づけるきっかけにしようと、翌年から名古屋市内で各界の著名人から寄せられた色紙を展示してきた。上野さんは同市に芸能人やスポーツ選手が訪れるたび足を運び、「やけどをなくそう」の言葉とともにサインをもらい続けた。
 色紙を寄せたのは歌舞伎俳優の市川猿之助さん、俳優の2代目水谷八重子さん、名古屋を拠点にするアイドルグループ「SKE48」の元メンバー、須田亜香里さん、プロ野球中日の立浪和義監督ら多士済々。新潟市出身でプロ野球中日からDeNAへの移籍が決まった笠原祥太郎投手、大相撲の振分親方(元小結高見盛)ら8人は、本書のため特別にメッセージも寄せた。
 上野さんは2歳で頭に大やけどを負い、頭髪の一部を失った。いじめを受け、人生を悲観することもあった。そんな時に励みになったのが、ファンレターの返信で届いた巨人の王貞治選手(現・ソフトバンク球団会長)の手紙と色紙だったという。その後、理容の道を目指し、病気や事故で頭髪を失った人向けのかつら製作を手掛ける「サン・ヘアー中部」(名古屋市)を経営する。「本を手元に置いてもらい、やけどの後遺症を乗り越え、生きていく力になればうれしい」と語った。
 書籍はA4判変形、236ページ。1980円(税込み)。注文は氏名、住所、電話番号、購入冊数を記入しファクス(052・581・0266)へ。

各界の著名人約400人が寄せた色紙、メッセージ、野球のサインボールなどが収録されている

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