来客や写真撮影が猫のストレスに! 年末年始に気を付けたいこと

冬休み、クリスマス、お正月など、イベントごとが盛りだくさんの年末年始。生活が慌ただしくなり、いつもと違った過ごし方になるご家庭も少なくありませんよね。しかしそれに伴って、猫のストレス要因が増えることがあるので、飼い主さんは愛猫が嫌な思いをしていないかなど、配慮してあげる必要があります。

そこで今回は、年末年始に起こりやすい猫のストレスシチュエーションについて、獣医師の藤井仁美先生に伺いました。

「来客」は縄張りへの侵入者

引用元:

ねこのきもち投稿写真ギャラリー

警戒心の強い猫は、縄張りである自宅に異変があると、落ち着くことができません。そして、自分の縄張りに入ってくる知らない人は“侵入者”として認識するため、来客は猫にとって大きなストレスになることがあるのです。

例えば、クリスマスにサンタクロースの格好をした男性が現われた場合。大柄の男性は猫に警戒されやすく、見慣れない変装をした人は、たとえ家族であっても猫を驚かせます。また、年末年始に親戚の子どもが遊びにくることがありますが、子どもは「猫を気遣う」ことが難しいため、しつこく構い過ぎた結果猫が恐怖を感じ、子どもに対して攻撃的になるケースも。

一番の対策は、来客と猫を対面させないことです。猫を別室に移動させたり、ケージに入れて隔離したりするといいでしょう。隔離が難しい場合は、来客に極力猫にかまわないようお願いしておくと安心です。

「誤食」は猫の健康を脅かす

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ねこのきもち投稿写真ギャラリー

イベントが目白押しの年末年始は、猫の興味をそそる小物や衣類などが増える傾向にあります。具体的には、クリスマスツリーの飾りや着物の帯などです。これらのアイテムは誤食の危険性があり、万が一誤食してしまうと、猫の体に大きな負担を強いることになります。また、誤食を心配する飼い主さんから怒られることも、猫にとってはストレスです。

猫がじゃれつきそうな小物や衣類は、猫の目に入らないようにするのがベスト。クリスマスツリーなど猫から隠すのが難しい場合は、柵を設けるなどして猫が触れないよう配慮してください。

猫にとって「拘束」となることもある写真撮影

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ねこのきもち投稿写真ギャラリー

クリスマスカードや年賀状用に、猫の写真を撮る飼い主さんも少なくないでしょう。しかし警戒心の強い猫は、体の拘束を嫌います。猫用の被り物を着せられて窮屈な思いをしたり、無理やり抱っこして何度も写真撮影をされたりすることは、猫にとっては大きなストレスです。

猫の写真を撮影する場合は、短時間ですませたり休憩を挟んだりして、愛猫の負担を極力減らす工夫を。服を着せたいのなら、せめて着脱が容易な帽子などをチョイスしましょう。また、撮影中におやつを与えたり、抱っこせずにいすなどに座らせた状態で撮ったりするのも、ストレスを減らすことにつながります。

年末年始は、猫のストレスになる事象がとても多いことがわかりましたね。いつも以上に愛猫の様子を観察して、ストレスになりそうなことがあれば早急に対処してあげましょう。

お話を伺った先生/藤井仁美先生(獣医師 獣医行動診療科認定医 ペット行動カウンセラー)
参考/「ねこのきもち」2018年12月号『「寒さ」だけじゃない、「寒さ対策」までもが… じつは多い 冬のストレス、大丈夫?』
文/東里奈
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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