特定宗教との関係「絶たないで」  神奈川県内の議会に陳情書提出相次ぐ 川崎、藤沢、鎌倉など

川崎市議会に提出された陳情書の内容などが記載された資料

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と政治との関係を巡り、県内の地方議会に特定の宗教団体との関係を絶つための宣言や決議をしないよう求める陳情書を提出するケースが増えている。富山市議会が9月、教会と関係を絶つことを決議していることから、専門家はこうした動きが広まるのを警戒した可能性があると指摘している。

 陳情書は11月以降、川崎、藤沢、鎌倉、座間市議会に提出されている。いずれも「特定の宗教法人および関連団体との関係を遮断する内容の宣言・決議をしないこと」や「公人および私人に対し、特定の宗教に対する信仰の有無を問うたり、その団体との関係を調査・質問したりしないこと」を求めている。

 川崎市議会は今月12日に総務常任委員会で審査し、結論を先送りして継続審査とした。同委員会の岩隈千尋氏(みらい)は「信教の自由に触れる内容で、市議会で議論するのはなじまない。被害者救済に関して今後どのように進められるか、動向を見守る必要もある」と話した。

 一方、同9日に総務常任委員会で審査した藤沢市議会は、全会一致で不採択とした。この日の討論で、柳沢潤次氏(共産)は「反社会的カルト集団を擁護するかのような陳情は、到底賛成するわけにはいかない」と述べた。

 鎌倉市議会は審査せず、全市議に配布するにとどめた。座間市議会は20日、議会運営委員会で審査する予定という。

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