「クリスマスケーキ」の平均価格が200円アップ コンビニで予約購入する人が20ポイント上昇

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原材料価格やエネルギー価格の高騰の影響が、クリスマスケーキにも現れてきた。帝国データバンク(東京都港区)の調査によると、クリスマスケーキの平均価格が昨年の3800円台から今年は4000円台に200円アップする。

小麦粉(強力粉)の価格が1.5倍に上昇しているほか、イチゴなどのフルーツや砂糖、牛乳、鶏卵などの原材料のほとんどが値上がりしていることが背景にあるという。

楽天グループ<4755>傘下の楽天インサイト(東京都世田谷区)の調査によると、クリスマスケーキを購入する予定の人は55.0%で、昨年(56.5%)より1.5ポイント低下した一方、購入しない予定の人は38%で昨年(36.8%)より1.2ポイント上昇した。

さらに、コンビニのオリジナルケーキを購入する人のうち、予約購入する人が70.5%と、昨年(50.8%)から約20ポイント上昇。その一方で、百貨店のオリジナルケーキを購入する人のうち、予約購入する人の割合は54.5%で、昨年(65.3%)より10ポイント以上低下した。

こうした消費者の動向の変化と、値上げとの関連は明確ではないが、今年1年間で約2万800品目の食料品が値上げされたことを踏まえると、節約志向が働いた結果とみることができそうだ。

100社の中79社が値上げ

帝国データバンクは、全国の大手コンビニや百貨店、スーパー、著名な洋菓子店など100社で販売される5号サイズのイチゴケーキの販売価格を調査した。その結果、今年の平均価格は4040円で、前年(3831円)から約5%、209 円アップした。

調査対象の100社のうち79社が値上げし「今回の値上げは最低ライン」などの声があった。一方、21社が価格を据え置いており、コスト削減などで対応し「戦略的に値上げしていない」などの声があった。

値上げ幅として最も多いのは「200円台」(23社)で、コンビニやスーパーなどで販売される3000円台のケーキに多く見られた。次いで多いのが「300円台」(19社)で、イチゴやチョコレートを多く使用した 4000~5000 円台の中高価格帯ケーキに多く見られた。

同社では「嗜好性の強いクリスマスケーキは価格帯や値上げの有無によって売れ行きに影響が予想されるため、年に1度の特別なケーキの値上げをめぐる企業と消費者の駆け引きが続きそう」としている。

百貨店のオリジナルケーキは0.5ポイント低下

楽天インサイトの調査は、全国の20~69歳の男女1000人が対象で、11月1~2日にインターネットで実施した。

どこのケーキを購入するかについて聞いたところ「個人経営の洋菓子専門店のケーキ」の22.8%がトップで、昨年より3.2ポイント低下。次いで「洋菓子チェーン店のケーキ」18.5%で、こちらは昨年と同じ割合だった。

一方、3位の「スーパーのオリジナルケーキ」は7.2%で、0.1ポイントアップし、4位のコンビニのオリジナルケーキも6.1%で、0.2ポイント上がった。6位の百貨店のオリジナルケーキは4.4%で0.5ポイント下がった。

この結果からは百貨店などの価格が高めのケーキから、スーパーやコンビニの価格が低めのケーキに消費者の関心が移ったことがうかがえる。

文:M&A Online編集部

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