北陸電力が自由料金の値上げ発表、オール電化の家庭は11~12%負担増 福井県内の家庭は15万件が契約

北陸電力本店=富山県富山市

 北陸電力(本店富山県富山市)は12月14日、オール電化の家庭や企業などが契約する自由料金を来年4月から改定すると発表した。一般家庭モデルで11~12%、商業施設や大規模工場など高圧・特別高圧のモデルケースで23~24%の値上げとなる。燃料費高騰を料金に反映するためで、自由料金の抜本値上げは2018年以来5年ぶり。

 今回の値上げの対象となる家庭や企業は北陸エリア全体で83万件、そのうち一般家庭は60万件。福井県内では一般家庭の6割(15万件)が自由料金で契約している。

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 自由料金は電力会社の判断で改定できる。契約件数が多いオール電化向けメニュー「エルフナイト10プラス」のモデル家庭(10キロボルトアンペア、月間使用量750キロワット時)で月額2675円増の2万6710円、「くつろぎナイト12」(同)は2782円増の2万7064円となる。高圧・特別高圧で契約するうち、中規模工場モデル(500キロワット、月間使用量17万5千キロワット時)では月額115万円増の603万円となる。

 改定では、家庭向けは基本料金を据え置き、使用量に応じてかかる電力量料金の単価をメニューに応じて約2~6円上げた。高圧・特別高圧は基本、電力量料金ともに引き上げた。

 同社は、ウクライナ危機や円安進行による燃料費高騰の影響で23年3月期の連結経常損益は1千億円の赤字の見通し。規制料金は平均45.84%の値上げを11月に国に申請し、審査が始まっている。

 本店で会見した松田光司社長は「全ての電気料金の値上げによって1千億円の収支改善を見込む。負担をかけ心苦しいが、当社の置かれた状況を理解してほしい」と述べた。

 同社の電気料金を巡っては、電気料金に転嫁する送配電網利用料の「託送料金」も来年4月から、一般家庭モデルで月400~900円程度引き上げる予定。

 同社は21日から1月末まで一般家庭向け説明会を開く。規制料金、自由料金ともに対象で、同社ホームページで参加を受け付ける。

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