真っすぐな感性を表現し、全国大会へ! 大分雄城台高校美術部

部員一人一人の感性と基礎的な知識を大切に活動する大分雄城台高校美術部。今年6月に開催された「第47回高文連美術専門部スケッチ大会」では3人が推奨を受賞し、1年を通じて最も大きな大会となる「第71回大分県高等学校文化連盟 美術・工芸中央展」では最優秀賞、優秀賞に各1人が選ばれた。

最優秀賞に輝いた池辺悠里(1年)は、来年7月に鹿児島で開催される全国大会へ出場を決めた。小さい頃から絵を書くことが好きだったと言うが、本格的に美術を学び始めたのは高校に入学してから。「美術部に入部したが、初めての賞が最優秀賞で本当に信じられなかった」(池辺)。今回の作品は「鶏跡(けいせき)」。ニワトリの細部までより鮮明に表現するために、顧問である金村孝之教諭のアドバイスを受け、それが大きなヒントになったという。

左から池辺悠里「鶏跡」、橋本啓佑「再生」

一方、優秀賞を受賞した橋本啓佑(2年)は、昨年のジュニアデザイン展で推奨、中央展では優良賞など多くの受賞歴を持つ。今回の作品は「再生」。使われなくなったものが人工物や植物など、新しいものとなり生み出されている輪廻(りんね)転生をダイナミックに描いた。「絵の見応えを出すためには書き込み量を増やさなければいけないが、ただ増やすのではなく注目ポイントを作るバランスが大事だった」(橋本)。この作品は、今月佐賀で開催された九州大会に出展した。

金村教諭は「池辺は粘り強さと集中力がある。この半年で物事を観察する視点が育ったことや、アドバイスに対する応用力が受賞につながった。橋本は本人の描きたいイメージが明確なので、それをどれだけ表現できるかがポイントだった。昨年に比べて基礎を大切に、全体を意識できるようになったことが成果として現れた」と、2人の作品とその努力を高く評価した。他の部員にも、「高校生にしか描くことのできない真っすぐな感性を大切にし、さまざまな表現方法を身に付けてほしい」と期待している。

今年度から美術専門の顧問が着任し大きな飛躍を見せる美術部

(塩月なつみ)

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