食品、電気、ガス、JRまでも値上げ…2023年に予定されている、値上がりするものまとめ

2021年、2022年と食品をはじめとしたさまざまな商品・サービスの値上げが相次いでいます。「値上げ続きで、家計のやりくりが大変…でも、さすがにこれ以上の値上がりはそうないかも」と思っている方も多いかもしれません。

しかし、そんな思いとはうらはらに、2023年も値上げは続きます。値上げの対象になるのは、食品や運賃など、生活するうえで欠かせないものばかりです。「いつになったら、安定するの…」という声が聞こえてきそうです。

今回は2023年1月以降、値上げが予定されている商品を紹介します。


2023年以降、2000品目の食品が値上げに

帝国データバンクの発表によると、2023年以降に食品メーカー上場105社が値上げを予定している食品は、2000品目を超えます。原料高が値上げの要因となっています。2023年2~3月の値上げ品目にはどんなものがあるのか見ていきましょう。

値上げラッシュが止まらない1:2023年1月から値上げとなるもの

【小麦商品・調味料】
日清製粉ウェルナは、「マ・マースパゲティ」などのパスタ、パスタソースをはじめとする家庭用製品137品を2~25%値上げします。昭和産業は「天ぷら粉黄金」「おいしく焼ける魔法のお好み焼粉」「SHOWAホットケーキミックス」などの家庭用プレミックス粉製品31品目を約2~15%値上げします。

ニップンは、家庭用の常温食品192品のうち、69品が値上げの対象になります。おもなものは、ミックス粉「伝説のから揚げ粉」が2~6%、パスタソース「オーマイミートソース」が2~3%、ドレッシングやオリーブオイルなどが、価格を5~17%引き上げます。ピエトロは、「ピエトロドレッシング和風しょうゆ」など8種類を約5.8~7.1%値上げします。

【加工食品・菓子類】
はごろもフーズは主力商品「シーチキンマイルド」など65品目の値上げを、2022年の2回の価格改定に続き、さらに行います。円安にともなう原材料価格の高騰などに歯止めがかからないのが理由です。

UCC上島珈琲は、家庭用の大型ペットボトルのコーヒー飲料「UCC 職人の珈琲 無糖」など、飲料商品の半分程度にあたる9品目を10~15%値上げします。製パン大手の日糧製パンは、和洋菓子やおにぎりなど59品を3~10%値上げします。和洋菓子は「豆大福」や「草大福」など、全体の2割を占める33品目が対象です。おにぎりなどの米飯類は全体の4割となる26品が対象になります。日清シスコは、グラノーラ商品の「ごろグラ」「ごろグラ 彩り果実360グラム」など8品目を5%値上げとなります。

【ガス】
東京ガス・大阪ガスなど都市ガス大手2社は、2023年1月のガス料金を値上げします。東京ガスの標準料金は22年12月比285円高の月7035円程度になる予定で、4か月連続の上昇になります。大阪ガスは、同334円高の7397円程度となります。

【紙類】
大王製紙は、トイレットペーパー、ティッシュペーパーの「エリエール」、他の業務用紙製品のすべてを20%以上値上げします。

値上げラッシュが止まらない2:2023年2月から値上げとなるもの

【加工食品】
ニチレイフーズは、家庭用冷凍食品のほぼ全品を約6%~約20%値上げします。おもなものに「本格炒め炒飯」や「焼おにぎり」などがあります。一方、業務用の冷凍食品・常温食品の全品についても約5%~約25%値上げとなります。ハンバーグやからあげなどの畜肉製品で、とくに値上げ幅が大きくなります。

永谷園は、「おとなのふりかけ 本かつお」などのふりかけ、「焼豚チャーハンの素」などのチャーハン、「麻婆春雨 中辛」などの惣菜商品、「エー・ラベル あたためなくてもおいしいカレー 甘口 5年保存」などのカレー商品、合計35品目を約5~14%値上げします。味の素冷凍食品は、「ギョーザ」「味の素」「うま味だし・ハイミー」などの家庭用製品の51品目が約6~16%の値上げになります。なお、業務用製品390品種については、3月から約4~25%値上げとなります。

【菓子類・調味料】
アサヒ飲料はエナジードリンク「モンスター」を約12%値上げします。値上げ対象となるのは14品目のうち355ミリリットル缶と345ミリリットル缶など10品目です。大塚製薬の菓子「カロリーメイト」は10.0%、「SOYJOY」は8.7%、健康食品の「ネイチャーメイド」は、14.8%以上値上げします。

ハウス食品グループは、ゼリー製品「C1000 ビタミンレモンゼリー」「PERFECT VITAMIN 1日分のビタミンゼリー(グレープフルーツ味)」など6品を約10%値上げします。ブルドッグソースは中濃ソースやウスターソースなど40品目の価格を7~22%値上げします。業務用の値上げは9~16%となります。

【酒類】
メルシャンは、ワイン「おいしい酸化防止剤無添加ワイン」や「シャトー・メルシャン」など480品目で、価格を2~12%引き上げます。梅酒は「まっこい梅酒」など12品目で8%、甲類焼酎は44品目で1~3%値上げとなります。

【紙類】
ティッシュペーパーやトイレットペーパー、キッチンペーパーなど家庭紙の値上げが相次いでいます。日本製紙クレシアは15%以上値上げとなります。また、王子ネピアも20%以上値上げになります。

値上げラッシュが止まらない3:2023年3月から値上げとなるもの

【調味料・菓子類】
キッコーマンは、トマト調味料「デルモンテ トマトケチャップ」「デルモンテ」ブランドのトマト調味料と飲料、オリーブオイルのほか、キッコーマンブランドの中濃ソースなど計94品目を対象に12~22%値上げになります。

ロッテは「爽」や「雪見だいふく」など市販用アイスクリーム19品目を、6.6~28.5%値上げします。大塚ホールディングスは、経口補水液「オーエスワン(OS-1)」を約5%値上げとなります。

【酒類】
浜田酒造(鹿児島県いちき串木野市)は、「隠し蔵」など麦・コメの本格焼酎とリキュールを、平均8%程度引き上げます。

【交通輸送】
JR東日本は、東京の特定区間で、初乗り10円、通勤手当1か月280円、3か月790円、6か月1420円が上乗せされます。なお、通学定期には上乗せされません。JR西日本は、京阪神エリアの特定区間運賃の一部が値上がりします。34区間については普通運賃と通勤定期運賃の見直し、65区間については、6か月通勤定期運賃のみ見直しとなります。なお、通学定期運賃は今のままです。

東京メトロは、普通運賃に10円上乗せ、通勤定期は1か月370円、3か月1050円または1060円、6か月1990円または2000円が上乗せになります。なお、通学定期は今までどおりです。

東急電鉄は、初乗りで10円程度値上げとなり、普通運賃が13.5%、定期運賃が12.1%改定されます。

近畿日本鉄道は、初乗りが20円値上げします。普通運賃の値上げ幅は平均で17.2%、定期運賃の値上げ幅は平均で16.7%になります。西武鉄道、東武鉄道も値上げを発表していますが、どの程度の値上げとなるか詳細は不明です。

相模鉄道(横浜市)は、鉄道運賃を10円引き上げます。通勤定期の運賃は1カ月分で600円、3か月分で1710円、6か月分で3240円値上げになります。通学定期は値上げしません。小児運賃は10円値上がりとなった後の大人運賃の半額になります。三重交通は、乗り合いバス運賃を平均4.1%値上げします。なお、通学定期の運賃は据え置きになります。

値上げラッシュが止まらない4:2023年4月から値上げとなるもの

【酒類】
アサヒビールは、ワイン、輸入洋酒、シードルの約3割となる234品目が対象になります。ワイン「サンタ・ヘレナ・アルパカ」など157品目を3~54%値上げします。輸入洋酒「ジャックダニエル」(700ミリリットルを除く)など67品目を4~46%値上げします。シードル「ニッカシードル・スイート」など10品目を10%値上げします。

【交通輸送】
遠州鉄道(浜松市)は、現行120円の初乗り運賃を150円に値上げします。営業キロが1.5~4.3キロの区間は20円ずつ引き上げとなります。

【電気料金】
東京電力、中部電力、北陸電力、東北電力、中国電力、沖縄電力など6社が、一般家庭向け電気料を値上げします。

今回の値上げで家計の支出はどれくらい増える?

2022年の1年間で約2万品目が値上げとなりました。それに加え、先述した2023年以降は、食品だけで2000品目の値上げが予定されています。これらの物価上昇による家計への支出負担増の数字については、みずほリサーチ&テクノロジーズの試算によると、2022年度が1年間あたり9万6000円の増加することになり、2023年度は1年間あたり4万円増えると見込んでいます。つまり、2021年度と比較すれば、2年間で13万6000円の負担が増えます。1か月で考えると1万1000円もの生活費が増えることになります。

とくに値上がりが目立つものは、原材料では小麦粉や油脂類であり、その原材料を使用して作られる加工食品などです。パンや麺類、お菓子、冷凍食品などの購入予算を決めておくなど、商品の選び方を工夫するようにしましょう。

今から年末にかけて、スーパーやドラッグストアなどでは、売り出しやポイントアップなどあるはずです。そんなときに、値上がり予定のもので、ご家庭にとって欠かせないものをチェックして、少し多めに買っておくとよいでしょう。

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