あなたの “好き” を教えて【80年代アイドル総選挙】私は大好きベストソングで投票!  あなたの1票で80年代ベストアイドルが決まる!

80年代アイドル、楽曲のクオリティの高さもハンパなかった

「80年代アイドル総選挙」ということで、こうしてコラムを書く機会をいただいたのだが、たくさんの80年代アイドルの中から10名選ぶということがどれだけ大変なことか… 依頼を受けたときは「リアルタイムで死ぬほど観たり聴いたりしていたからスラスラ書けるだろう」なんて軽く考えていたのだが、本当に難しかった。

80年代アイドルというと、ルックスはもちろんのこと、楽曲のクオリティの高さもハンパなかった。それだけに、どこに照準を合わせて選ぶべきなのか、かなり迷ってしまった。セールスなのか、歌唱力なのか、楽曲なのか… などなど。

結果、私が80年代当時、個人的に強い印象を受け、大好きになった楽曲を歌っているアイドルを選ぶことにした。10位から1位まで、それぞれのアイドルに対するコメントと、私にとっての、そのアイドルのベストソングを記してみた。

第10位:柏原芳恵

デビュー当時、『紅白歌のベストテン』でデビュー曲「No.1」をビキニ姿で腰をフリフリ歌っている姿はなかなかのインパクトだった。どういう路線を辿るのかしばらくはよく見えなかったが、やはり中島みゆき作品との出会いが、他のアイドルとは一線を画す、個性的な歌手となる大きなきっかけだったのだと思う。

しかし、叙情系に片寄ることなく、テクノ歌謡と言われる「ト・レ・モ・ロ」や「悪戯NIGHT DOLL」、また、デジタルサウンドにクセの強いヴォーカルを乗せた「太陽は知っている」など、合間にチャレンジングなナンバーをリリースすることで、うまくバランスが取れていたと思う。

■ マイベストソング:ガラスの夏

第9位:南野陽子

デビュー当時から「とても真っ直ぐで気の強い人なんだろうなぁ」という印象があったので、『スケバン刑事』で麻宮サキを演じる姿にもそんなに違和感は抱かなかった。発表する楽曲はどれも凛としていて高貴な印象のものが多かった。だからシングル「へんなの!!」をリリースしたときは “ぶっ飛んで壊れちゃったのかな?” と思ったけど(笑)、今思うとあれも「紛れもない南野陽子」だったんだろうなぁ。

2021年、ビルボードライブ大阪のライブで観たナンノは、ご自身で「年齢に抗うことなく」と言いながらも、その姿も歌声も全く変わっていなかった。

■ マイベストソング:リバイバル・シネマに気をつけて(アルバム『BLOOM』収録)

第8位:本田美奈子

幼く見えるルックスと大人びた歌声とのギャップに、デビュー当時は戸惑った人も多いのではないだろうか。私はデビュー曲「殺意のバカンス」を歌う彼女を見て「こんな難しい曲をよく歌いこなせるなぁ」と感動し、レコードを買いに走った記憶がある。

その後「1986年のマリリン」「Sosotte」などのセクシー路線や、「Help」「孤独なハリケーン」などのロック路線に独自の居場所を見出した感はあるが、私はセカンドシングルで「好きだと言いなさい!」とかわいらしく歌う美奈子がたまらなく好きだった。そして「Oneway Generation」を元気よく明るく歌う、等身大の美奈子も。

■ マイベストソング:Temptation(誘惑)

第7位:三井比佐子

その破壊的な歌唱力(失礼)はもはや伝説となっていて、セカンドシングル「デンジャラス・ゾーン」では「いや、あなたの歌がデンジャラス」なんて酷い言われ方もしていたほどだ(ほんとに失礼)。しかし、同時に楽曲のクオリティの高さも伝説となっている。2枚リリースしたシングル曲は筒美京平作曲、アルバムは一流のスタジオミュージシャンが携わっていることもあり、中古市場でもかなりの高値がついている(配信がないのが残念)。

シングル曲、アルバム曲ともコミカルな曲が多く、明るいキャラクターが前面に出ていてとてもチャーミング。不安定な歌唱力のアイドルはとかく低い評価を受けがちだが、しっかりと作られた楽曲に支えられたことでケミストリーが起きた奇跡のアイドルだと思う。

■ マイベストソング:イエロー・サブウェイ(アルバム『ワンダフル天使(チャコ) 』収録)

第6位:中森明菜

「飾りじゃないのよ涙は」をきっかけにアーティスティックになり、誰もが認める唯一無二のシンガーになった明菜だが、私が好きなのはどちらかというとそれまでの明菜。「スローモーション」「セカンド・ラブ」などのしっとり路線と「少女A」「1/2の神話」などのいわゆるツッパリ路線、それぞれの顔もいいのだが、私は「サザン・ウィンド」を少し茶目っ気を出しながら歌番組で歌う明菜や、アルバム『ANNIVERSARY』に収録されている「100℃バカンス」のような珍しくPOPなナンバーを歌う明菜が好きだったのだ。

■ マイベストソング:ヨコハマA・KU・MA(アルバム『バリエーション』収録)

第5位:桑田靖子

80年代アイドルの中でもバツグンの歌唱力。揺るぎない、張りのある力強い声が印象的。デビュー曲「脱・プラトニック」や、セカンドシングル「愛・モラル」のような少し挑発的なナンバーから、「マイ・ジョイフル・ハート」のような明るくてPOPな曲、「ガラスのラブレター」のようにしとやかな曲、「うれしはずかし うっふっふ」のようにコミカルな曲まで歌いこなせる実力を持っていた。

近年歌手活動を再開し、現在も自身で作詞・作曲をして精力的にライブ活動を行っているが、当時の作品を今でも大切に歌い続けている。

■ マイベストソング:マイ・ジョイフル・ハート

第4位:松本伊代

鼻にかかる少し低めの声は、後に「トレジャーボイス」と呼ばれるほど貴重な個性。デビューから40年以上経った今でも、「センチメンタル・ジャーニー」で「伊代はまだ16だから」と歌う姿には全く違和感がない。楽曲のクオリティは同期のアイドルと比べても高く、シングルだけでなくどのアルバムも非常に丁寧に作られている。

初期の筒美京平作品がクローズアップされがちだが、『風のように』『Private File』など、1980年代後半にリリースされたアルバムは、上質のシティポップ作品としてもっと取り上げられても良いと思っている。

■ マイベストソング:それから(アルバム『風のように』収録)

第3位:松田聖子

セールス的には文句なしにNo.1だろう。1980年の「風は秋色」から1988年の「旅立ちはフリージア」までの24曲連続オリコン週間シングルチャート1位獲得という偉業は、絶大な人気があろうとも簡単に成し遂げられるものではない。

それと、「制服」などのシングルB面曲や、「瑠璃色の地球」「抱いて…」などアルバム曲までコアなファン以外にも浸透させたのは、アイドルとしてはとても珍しいのではないだろうか。そして2022年の現在もアイドルとしてたくさんのファンを虜にしているという圧倒的な存在感。何十年経っても色褪せない数々の楽曲たち…恐れ入ります。

■ マイベストソング:マイアミ午前5時(アルバム『ユートピア』収録)

第2位:岡田有希子

デビュー曲からの竹内まりや三部作(特に「リトル・プリンセス」)での穢れのない、透明感のあるキャラクターは、挑発的で大胆な歌を歌うアイドルが多かった当時としては貴重だった。

2年目からは少し大人びて、「二人だけのセレモニー」や「Love Fair」など、セクシャルな雰囲気を醸し出す曲もあったけれど、そのキャラクターと、尾崎亜美や松任谷正隆などの作家陣のアシストにより、彼女らしい上品な仕上がりになっていた。几帳面で真面目な印象がとても強く、芯の強さと、それでいて触れたら壊れてしまいそうな脆さを両方持っているアイドルだったと思う。

■ マイトベスソング:十月の人魚(アルバム『十月の人魚』収録)

第1位:河合奈保子

私にとって不動の第1位。魅力的な笑顔とあどけなさ、そして水着姿といったルックスからこの方のファンになった方は多いだろう。実際私も、月刊明星に載っていた彼女のビキニ姿を見たのが好きになったきっかけではある。

しかし、この方の魅力はなんといってもその歌声にある。まっすぐ伸びやかな声は実に心地よい。「大きな森の小さなお家」や「Invitation」のように純粋無垢な女の子から、「けんかをやめて」のように二股をかけてしまう小悪魔的な女の子、そして「エスカレーション」「唇のプライバシー」のようにちょっと大胆な女の子まで幅広く表現できるのは、いい意味で素の奈保子自身に「色気がない」ところだと思っている。

だからこそキャラクターが邪魔することなく、曲の世界を上手に伝えられるのだと思う。後に自身で作曲するなど、音楽の才能の深さも魅力のひとつ。

■ マイベストソング:涙のハリウッド

―― 以上、私が選んだ「80年代アイドルベストテン」である。どうしても当時の思い入れが強くなってしまい、公平なチョイスが出来なかったところがあるが、中学・高校とアイドルまみれだったあの頃の感覚を甦らせることで、逆に新鮮に向かい合うことができた。

みなさんもきっとかなり迷うことになるだろうが、ぜひ投票してみてほしい。最終的にたくさんの方の投票によってどんなランキングになるのか、とても楽しみである。

カタリベ: 不自然なししゃも

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