返礼品はネギトロ⁉“ふるさと納税”静岡県内1位は「焼津市」寄付額65億円のワケ

生まれ育った地域など、応援したい自治体を選んで寄付をする「ふるさと納税」。寄付した分、税額が控除され、返礼品もあることから、年々、利用する人が増えています。2022年分の締め切りが迫る中、寄付額が静岡県内1位の街「焼津市」では、すごい努力をしているんです。

<井手春希キャスター>

「ふるさと納税の返礼品が大人気の焼津市。中でも、人気なのがネギトロです」

2021年度、寄せられた「ふるさと納税」の金額が静岡県内で最も多かった焼津市。約65億円で全国11位の寄付額でした。焼津市役所の担当課で人気の理由を聞きました。

<焼津市役所 ふるさと納税課 青島庸行課長>

「返礼品の数を豊富に取り揃えています。全部で1400種類以上で、海の幸が豊富なので」

焼津市の返礼品は、1400種類以上。特に人気があるのは、水揚げ量日本一を誇るマグロやカツオなどの水産品です。市のふるさと納税の特設サイトには「ネギトロ特集」のページまであります。

<井手春希キャスター>

「返礼品のネギトロが大人気というお店にやってきました」

返礼品を提供する鮮魚店です。人気のネギトロが並んでいました。ふるさと納税は、店にとってもメリットが大きいといいます。

<大富水産 増田太地さん>

「最初はそこまでの人気ではなかったんですけど、コロナ禍になって人が外で買い物しなくなって、その辺から徐々に(売上が)伸びていった」

Q一方で、コロナ禍はお店の状態は厳しかったのでは?

<大富水産 増田太地さん>

「観光バスも一台も来なくなっちゃった状態だった。ネギトロがヒットしたので、雇用調整も少ない期間で済んで、雇用継続につながったのはこの商品があったから」

<井手キャスター>

「焼津さかなセンターの大食堂でも、ふるさと納税の寄付ができるんです。スマートフォンでQRコードを読み込んで、寄付の手続きを済ませると、この食事券をその場で受け取れます」

1万円の寄付で返礼品として、3,000円分の食事券とソフトドリンク3分杯の無料券がもらえます。

<焼津さかなセンター 中澤正人常務取締役>

「始まったばかりですが反響も大きい。楽しい焼津を観光した方に、焼津の思いを美味しい焼津の思い出に変えてもらって、素敵な思い出を残してもらえたらなと思う」

11月と12月の2か月に、年間の寄付額の半分が集中するという「ふるさと納税」。焼津市は、12月18日までメタバース上で開催されているバーチャルマーケットにも出展しています。

<バーチャル体験の様子>

「包丁を中指で握れますか」

「はい、持ちまして」

「頭を、グサッ。おー、切れた。いきます。(シュッ)奥の方、できた、すごい。解体できました」

市の魅力を紹介しながら、ふるさと納税をPRしています。

<焼津市役所 ふるさと納税課 青島庸行課長>

「とにかく新しいことに果敢にチャレンジしていかないといけないんじゃないかなと思っています」

こうしたPR効果もあって、2022年は2021年を上回る寄付額になっているということです。

<井手キャスター>

2021年度の寄付額が多かった静岡県内の市町をまとめました。トップは、焼津市の64億円。2位は富士宮市の28億円でした。この数字を見ても、焼津市のすごさが分かります。以下、浜松市、御殿場市、西伊豆町と続き、9つの市町が10億円を超えていました。

ふるさと納税は、都道府県や市区町村への「寄付」で、最大3割の返礼品があります。そして、原則、寄付額から2,000円を差し引いた額が所得税や住民税から控除されます。

上限額は年収や家族構成などで違いますが、例えば、年収550万円で配偶者に収入がなく、子どもが中学生以下ならば約6万円です。地域の活性化につながる「ふるさと納税」。2022年分の締め切りまで、あと2週間あまりです。

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