広島市の山間の街で復興支援に取り組むグループが、自分たちのコメで作る酒の仕込み作業を手伝いました。酒造りは、ことしで2年目。どんな酒になるのでしょうか?
広島市 安佐北区 可部の旭鳳酒造です。近くの大林町で活動する「ふるさと楽舎」のメンバーが集まりました。地域の酒「大林千年」の仕込みを手伝うためです。
旭鳳酒造 浜村洋平 杜氏
「お酒の準備の整うところも、わざわざ遠くから来ていただいて、ありがたいなと思います」
ふるさと楽舎 山本愛永さん(大学4年)
「日本酒を作る作業を手伝わせてもらえるってことは、そんなにないと思うので、すごく楽しみです」
メンバーのほとんどは大学生です。作業は、蒸しあがったばかりのコメを冷ましたあと、布に入れて包みます。
包みの重さはおよそ5キロから6キロ。これをリレー方式で仕込み蔵に運びます。
途中、階段があって、メンバーはコメをこぼさないように気をつけながら駆け足で降りていきます。
ふるさと楽舎の活動の場は、安佐北区 大林町 桧山地区です。
過疎高齢化に加え、8年前の広島土砂災害による被害で休耕地が増える中、グループは4年前から再生に取り組んでいます。
活動の柱がコメ作りです。メンバーのほとんどは、農業の素人のため失敗の連続でしたが、去年・ことしとまとまった収穫がありました。
「乾杯!」「いただきます」
そのコメで去年、初めて作ったのが「大林千年」です。大林町が千年先も集落であるようにという願いを込めています。
最後にコメを仕込みタンクに投入し、25日間発酵させて、味わい深さが売りの辛口の酒に仕上げます。
作業は40分ほどで終了しました。
旭鳳酒造 浜村洋平 杜氏
「大林の土地のエネルギーじゃないけど、こうやって関わってもらったみなさんのエネルギーってところをお酒にしていきたいなっていう思いが、どんどんつながりが生まれて来るようなお酒になったら、すごくうれしいなと思っております」
ふるさと楽舎 藤村颯さん(大学4年)
「作ったおコメがこうやってお酒ができるんだっていうのを、みんなで共有できるので、すごく感慨深いものがあります」
ことしも去年並みの4合ビンで2200本程度を生産する予定で、収益金の一部はグループの活動費に充てられます。