防衛費の財源に復興特別所得税も 宮城県の被災地の反応

政府・与党は防衛費の増額分として法人税、たばこ税に加え、所得税の3つを組み合わせ、2027年度以降1兆円余りの財源を賄う方針を決めました。

このうち所得税は、震災からの復興事業に充てられてきた復興特別所得税の税率を引き下げ、新たな防衛目的税を課します。

被災地の反応です。

所得税には現在、東日本大震災の復興予算に使うため復興特別所得税として、所得税額に2.1%が上乗せされていて、2037年までの期限がついています。

しかし、2024年以降復興税の税率を1.1%に引き下げ、その分、新たに1%の防衛目的税を設け防衛費の財源に充てます。

復興財源の総額を確保するため、税率を下げた分は期間を延長するとしています。

石巻市の斎藤正美市長は世界情勢を鑑み、防衛費の充実を図ろうとする政府方針にはできる限り協力したいとしたうえで次のように話しました。

斎藤正美石巻市長「復興予算が疎かになるわけではないのである程度、1%転化されることはしょうがないかなとでも、これからも長い目で色々な形で復興は必要なのでそのことはしっかりと着目してほしいと。忘れないでほしい。支援をいただきたい」

一方で、気仙沼市の菅原茂市長は復興事業への影響は全く無いと強調しました。

菅原茂気仙沼市長「政府は当初から復興に関わる財源については確保するということを明言して今回の予算措置を考えるということでありますので、私たちは復興に何らかの影響があるということは懸念をしておりません」

なお、今回の決定には与党内でも反発が強く、増税の開始時期については来年の議論に持ち越しました。

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