ウクライナ高校生 学芸館受け入れ 単身で避難「新しい経験楽しみ」

岡山学芸館高の生徒と交流するジグノフさん(左)

 ロシアの侵攻が続くウクライナから避難した高校生のジグノフ・ヤホルさん(17)が岡山学芸館高(岡山市東区西大寺上)に通うことになった。16日、岡山に到着したジグノフさんは早速学校を訪れ、生徒たちと初対面した。安全な場所で教育を受けたいと望み、文化や経済に興味がある日本を選んだといい、「新しい経験が楽しみ」と語った。

 ジグノフさんはウクライナの首都キーウ(キエフ)で家族と暮らしていたが、「ミサイルや爆弾で命を落とす危険に常にさらされていた。自宅の窓から爆発が見えたこともあった」と言う。安心して勉強ができる環境を日本国内に求め、インターネットで受け入れ先を探していた。岡山を選んだのは「地図を見ていて、大きすぎず小さすぎず、住みやすい場所だと思った」。10月、同校にメールを送って受け入れを希望し、単身で来岡することが決まった。

 16日午前、成田空港を経由して岡山桃太郎空港(岡山市北区日応寺)に到着。出迎えの教員とともに同校に移動し、制服合わせをした後、生徒たちと英語で会話をしたり校舎を見学したりした。「みんな温かいし、校舎も校庭もすごくきれい」と笑顔を見せた。

 来年3月まで日本語を集中的に学び、4月から1年生のクラスで高校生活をスタートさせる予定。学校へは系列中学の生徒宅にホームステイしながら通う。同校は特別奨学金制度を適用して学費免除とすることを決定。しめ縄作りや茶道体験、サッカー大会を計画しており、生徒たちと交流を深めてもらうという。

 ジグノフさんは「戦争が起きるなんて思ってもみなかったけれど、今は新しい経験が始まることが楽しみ。岡山城や後楽園も訪れて日本文化への理解を深めていきたい」と話した。

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