個別支援学級の「いじめ重大事態」 元女子児童が横浜市を提訴 市側は争う姿勢

横浜市教育委員会

 いじめ防止対策推進法に基づく調査の結果、横浜市立小学校の個別支援学級で初めて認定された「いじめ重大事態」を巡り、当時の教員らが適切な対応を怠ったとして、元女子児童が市に110万円の損害賠償を求め提訴した。16日に横浜地裁(波多江真史裁判長)で第1回口頭弁論が開かれ、市側は請求棄却を求め争う姿勢を示した。

 訴状などによると、元女子児童は2019年、市立小学校の個別支援学級に在籍。同級生の男子児童から体を触られたり、顔を近づけられたりされた。市のいじめ問題専門委員会が調査し、市教委が今年1月に公表した結果報告書で、これらの行為についていじめと認定した。元女子児童は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症し、精神的苦痛を受けたとしている。

 元女子児童側は、報告書で学校側の課題を「組織として一定の方針に基づいた対応ではなく、教諭が個々の判断で対応していた」「情報集約や記録が不十分だった」などと指摘されたとし、「学校は組織的対応義務を怠っていた」と主張している。

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