雇調金など3900万円を不正受給 労働局の調査で判明 上越市の三セク「リフレ上越山里振興」

 温浴施設「くわどり湯ったり村」、レストラン「ヨーデル金谷」を運営する上越市の第三セクター「リフレ上越山里振興」(同市皆口)が雇用調整助成金と緊急雇用安定助成金合わせて約3900万円を不正受給していたことが16日、明らかになった。
 同日、平井民夫社長が記者会見し、事実を認めた。新潟労働局は5日、支給決定を取り消し、16日に公表した。同局は助成金の返還を同社に求めており、平井社長は「早期に返還できるように努める」と述べた。

謝罪し頭を下げる平井社長

 同社は2020年4月14日から雇用調整助成金と緊急雇用安定助成金の利用を開始。休業していなかった日も「休業した」として不正受給をした。今年8月と9月に行われた同局の調査で判明した。平井社長は10月20日、同局を訪れ不正受給を認めたという。同社は11月、上越市内の弁護士法人に調査を依頼。弁護士によると、私的流用は今のところ確認されていない。弁護士は関係者への聞き取りや事実関係の確認を進めている。
 平井社長は、各種助成金の申請や受給の意思決定は「全て総務・経理担当1人がやったこと」と説明。自社が受給を受けていた事実についても、同局の指摘があって初めて知ったという。
 同社の株式の9割近くを保有する上越市は平井社長の記者会見終了後、報道陣の取材に応じた。阿部俊和産業観光交流部長は、不正受給の返還の原資の支出について「基本的には会社で責任を取るべき」と考えを示した。

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