年末商戦本格化 物価高で送料込みギフト人気 コロナ禍、ボードゲーム売れ筋

販売がピークを迎えているお歳暮コーナー=長崎市、ゆめタウン夢彩都

 お歳暮、クリスマス、おせち-。長崎市内の大型店で年末商戦が本格化している。消費動向や商品展開には、新型コロナウイルス流行や物価上昇など世相や天候が反映されている。
 お歳暮の需要は今がピーク。浜屋百貨店(浜町)は、かまぼこなどの県産品を推し、贈り先に合わせて自由に品目を組み合わせるシリーズが伸びている。今年は特に、送料込みのギフトが人気。物価上昇を背景に「お得」を重視する消費者心理が垣間見えるという。一方、新春のおせちの受注は10月に始め、高価格帯を中心に売り切れが続出。担当者は「家に少人数で集まり、ちょっとしたぜいたくを楽しみたい人が増えているのでは」と推測する。
 ゆめタウン夢彩都(元船町)は、お歳暮の販売で同業他社を先行しようと、今年は10月にコーナーを開設。11月半ばまで一部商品の早期購入時にポイントを増やす特典が奏功した。クリスマスに向けては、ケーキやオードブルを自由に組み合わせるパーティーセットが昨年の売上件数を既に5~10%上回り、担当者は「家族や親戚の集まりの需要が高まっている」。宅配やオンライン注文が好調で、おせちは2年前に全体の7%ほどだったオンライン注文が40%以上を占めるようになった。
 夢彩都内のテナント「おもちゃのあおき」はクリスマスが書き入れ時だ。コロナ禍で人気なのは家で遊べるボードゲーム、中でもサッカー・ワールドカップ開催中とあってサッカー盤が売れ筋。西九州新幹線かもめの「プラレール」も在庫の問い合わせが多い。1万円以上の高い価格帯では、和み系人気キャラクター「すみっコぐらし」のノートパソコン型玩具が写真撮影やゲームができ、売れているという。
 冬本番の冷え込みに商機を求める向きも。12月初めまで比較的暖かった影響で、浜屋百貨店はコートやマフラーなど防寒具の出足が鈍かっただけに「今後に期待」。家電量販のエディオン長崎本店(浜町)によると、同社は九州全体の暖房器具の売上額が11月は前年同期比約40%減だったが、12月は15日時点で30%増。エアコンは省エネや暖房の能力が高い商品が販売台数の4割程度を占める。年末にかけてのキャッシュバックキャンペーンでさらに消費を喚起する。

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