■ドンデンガエシ
昇級初戦となった9月の前走・アスター賞は、スタートから積極的に出してハナを奪うと、そのまま馬群を引き連れて直線へ。坂下で一気に後続を突き放すと、2着馬に2馬身半差をつけて快勝している。北海道帰りということもあり、中間に時計を出したのは坂路での1本のみと決して絶好調ではなかったが、ここで結果を残せたのはポテンシャルの高さによるものだろう。相手関係や内容よりも、勝ち切ったことを評価したい。
2走前の札幌での未勝利戦は、やや出遅れ気味のスタートからすぐに立て直し、先行集団で競馬。勝負どころでジワジワとポジションを上げていくと、直線入り口で先頭に立ち、そのまま押し切ってみせた。2着馬のほうが脚色がよかったが、最後まで抜かせないあたり勝負根性はなかなかのもの。
スタートが安定しない面があるにせよ、前に行ってよし、控えてよしの自在性があり、相手の出方に合わせて競馬ができるのは大きな強み。パワーもあるので、馬場が渋っても問題ないクチだ。意外性のある鞍上・横山典とも手が合いそうで、下馬評を覆して“どんでん返し”を起こす可能性はある。
著者プロフィール
山田剛（やまだつよし）●『SPREAD』編集長
元・競馬月刊誌の編集長で、現在はスポーツの未来を読みとくメディア『SPREAD』の編集長。1995年マイルCSの16番人気2着メイショウテゾロの激走に衝撃を受けて以来、穴馬予想を追求し続けている。「ウマ娘」はゴールドシップ推し。
