品質は上々 岡山県産ノリ初入札 生育進まず上場枚数は過去最少

ノリの品質をチェックする初入札の参加者

 岡山県産ノリの本年度初入札が17日、岡山市南区浦安南町の県漁連で行われた。上場枚数は304万1500枚と記録が残る2003年以降では過去最少(06年は不作で初入札なし)だった。一方、品質は上々で、新型コロナウイルス禍の影響緩和に伴う需要回復への期待などで、1枚(縦21センチ、横19センチ)当たりの平均単価は14円63銭と前年の13円21銭を上回った。

 ノリを生産する県内12漁協のうち5漁協が上場。全国各地の卸・加工36社が、見本を手に色つやをチェックしたり、電気こんろであぶって味見したりして出来栄えを確かめた。最高値は31円50銭(前年と同じ)、最安値は3円(前年は3円30銭)だった。

 県漁連によると、今年はほぼ例年並みの11月中旬に養殖網を海面に張る「本張り」が始まり、同下旬に収穫と加工をスタートした。海中の栄養塩はあったものの、海水温が十分に下がらなかったことから生育が進まず、カモや魚の食害も響き、シーズン当初の生産状況が振るわなかったという。担当者は「適度な降雨で栄養塩が維持されるとともに、順調に水温が下がることを期待したい」と話した。

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