上越市三セク「リフレ上越」雇調金不正受給 急がれる実態解明 返還問題も焦点に

 上越市の第三セクター、リフレ上越山里振興(同市皆口)が、2020年から雇用調整助成金など約3900万円を不正受給し、新潟労働局から返還を求められていることが16日、明らかになった。不正の実態解明が喫緊の課題だが、債務超過の同社が自己資金で返還できるかも焦点だ。
 平井民夫社長は16日の記者会見で「(助成金の)申請は総務経理の担当者が1人で勝手にやった。受給していることも(後で)労働局の指摘で知った」と述べた。弁護士によると、助成金の申請は社会保険労務士によらず行われたという。 

会見場に入るリフレ上越山里振興の平井社長(16日)

 今年8月作成された市の「出資法人等経営状況報告書」によると、リフレ上越の取締役は平井社長をはじめ9人で、常勤は1人。調査を担当する弁護士は、現在複数の関係者に聞き取りを行っているとした上で「調査に支障が出かねない」として、総務経理担当者が取締役を兼任しているかの問いに対し、回答を避けた。平井社長は経営について「会社に任せきりだった」と話した。
 4000万円以上に上るとみられる返還金の捻出も焦点だ。同社は2022年3月期決算時点で3600万円余りの債務超過に陥っている。平井社長は「本当に返還できるのか」という問いに対し「弁護士を立て相談している。代表者として考えていないわけではないが、第三セクターなので」と言葉を濁した。
 市はリフレ上越の株式の87・8%を保有。中川幹太市長は同日付で「調査結果を待って、市として必要な判断をしたい」とコメントを出した。しかし調査終了時期は不明だ。
 事態を重く見た市議会は19日、各会派の代表者を集めて対応を協議する予定。ベテラン議員の一人は「すぐに全員協議会で話し合うべきだ。リフレ上越の在り方や三セク全体の今後も考えなければならない」と話した。

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