年末の大掃除、片付けが苦手な人が最初に取り組むべき場所は?「思い出の品」の収納法も

もうすぐ年末大掃除シーズン。部屋が散らかっていて、どこから手をつけて良いか分からない……という方に、整理収納アドバイザーの筆者がおすすめしているのは、クローゼットから手をつけることです。

クローゼットや押し入れは、部屋にとっての「ふくらはぎ」のような存在。使用頻度が低いモノの定位置を一手に担う収納場所であり、クローゼット・押し入れが上手く活用できている家はモノの流動性が高く、風通しが良くなります。反対に死蔵品が溜まると、「使用頻度は低いが自分にとって必要なモノ(思い出やストック品など)」の置き場所がなくなり、居住スペースがモノで溢れてしまいます。

必要なモノが適切な場所に配置されたクローゼットを作ることで、部屋全体が筋肉質に引き締まっていきます。


空かずの段ボールはありませんか?

「引越してきてから、一度も空かずの段ボールがある」という方は、年末大掃除のタイミングに最優先で開封をしましょう。中に何が入っているか分からない時点で、中のモノは死蔵品と化していることが多いです。1点ずつ、直近でいつ使ったか・今後どのような機会で使うかを見極め、不要なモノは手放します。

直接モノを押し込んだり、紙袋に詰めたりするのは保管効率が悪いため、押し入れの奥行きにぴったりサイズのあった衣装ケースや不織布ケースなどで四角く区切るのが良いでしょう。衣類に限らず、本棚に入りきらない本や文具を収納するのにも、衣装ケースが活用できますよ。

(C)丹野雄二

ハンガーラックの洋服、最適な間隔は?

クローゼットが洋服でパンパン……という方は、手持ちの洋服の量を見直してみましょう。ハンガーラックもタンスも、一見すると無制限に詰め込めそうに見えますが、詰めすぎは出し戻しを億劫にする原因に。「洋服1着あたり3cm」の間隔を確保して収納すると、整頓された部屋を無理なく維持することができます。この3cmというのは、人の片手の厚みは約1.5cmで、両側から手を入れても、隣の洋服を動かさずに済むということに基づいて設定しています。

(C)丹野雄二

ご自宅のハンガーラックの横幅の長さをメジャーで測り、3cmで割った数が、吊り下げられる衣類の容量になります。賃貸マンションでは90〜120cm幅で設計されているラックが多いのですが、例えば120cm幅であれば40着が保管可能着数となります。

収納容量が足りない時の対処法

手持ちの洋服に比べて、自宅の収納容量が足りない時には、衣装ケースを使って使用頻度の低い衣類を畳んで収納しましょう。シーズン外の洋服は極力ハンガーにかけず畳み、収納して面積を減らすのがおすすめです。衣類圧縮袋を使用すれば、かさばる重衣料も効率良く詰められます。自宅の押し入れに十分なスペースがない場合には、外部収納サービスを活用しても良いでしょう。長期保管の際には防虫剤も入れるのを忘れずに。

どれもお気に入りばかりで、なかなか服を減らせない……という方は、1点単位で吟味するのではなく、手持ち服でコーディネートの組み合わせを作ってみましょう。洋服を、ベッドやソファなどに全て出してみて、普段よく着ている服の組み合わせを試着してみます。

スマホスタンドなどでセルフ撮影をしてみても良いですし、家族に撮影を頼んでも良いですね。1コーディネート一枚、写真を撮っていき、トップスやボトムスを入れ替えながら組み合わせの数を増やしていきます。ワンシーズン、30種類の組み合わせがあれば、1ヵ月間毎日違う服で通勤ができますよね。通勤や休日での使用に向けたコーディネートに選ばれなかった服は、着るシチュエーションが極端に少ない服。これを機にフリマアプリや寄付で手放してみましょう。

「思い出の品」の収納法

「思い出の品・コレクション品が多すぎて、クローゼットに隙間がない!」という方は、捨てなくても良いので、「全部出す」ことを年末にトライしてみてください。衣類の衣替えと同じ要領で、全品点検をすることで、自分にとって今必要なモノが何かを精査できます。思い出の服や文房具などは、普段使うものと混ぜて保管せずに、一箇所「思い出BOX」に集約させて保管すると管理がしやすいです。

(C)丹野雄二

特にお子さんの思い出の品は、親目線であれもこれも抱え込むと収拾がつかなくなってしまいますよね。親が選ぶのではなく、子ども自身に残したいモノを選定してもらうのがおすすめです。箱に収まる範囲で選定していき、入りきらなかった荷物は、形を変えて持つ・売る・譲るなどの手段を取りましょう。例えばお子さんの描いた絵をスキャンすれば、PCやスマホの背景に設定したり、デジタルフォトアルバムで飾ったりと、紙で持つより目に触れやすいですよ。


クローゼット整理は部屋全体がガラッと変わるわけではないので、一見地味な作業になりますが、年末のこの時期に機能的に仕上げておくと、新年のモノの管理がぐっと楽になります。

一度にクローゼット全体を片付けるのは負担が大きいので、「今日はハンガーラックの洋服」「明日は思い出BOX」など、テーマ決めて、毎日1〜2時間ずつ取り組んでいきましょう!

(C)丹野雄二

© 株式会社マネーフォワード