給食の「黙食」いつまで? 県内関係者、コロナ収束見通せず苦悩

前を向いて静かに給食を食べる児童=13日、秋田市の明徳小

 文部科学省は11月末、学校給食で適切な対策を取れば「会話は可能」とする通知を出した。新型コロナウイルスの感染対策として多くの学校で続けられてきた「黙食」。新型コロナの収束が見通せない中、「すぐ元の形に戻すのは難しい」という教育関係者の声もある。子どもたちは今、どのように給食の時間を過ごしているのだろうか。

 「手洗いは終わった?」「ちょっと換気しようか」。13日昼、秋田市の明徳小学校(加賀一幸校長)の学年ホールでは、給食の準備に取りかかっていた。5年担任の濱松真美教諭(57)が、みそ汁をよそいながら児童に小まめに声をかける。

 ご飯やおかずを受け取った児童は、授業と同様に前を向いたまま着席。控えめな声で「いただきます」をした後、マスクを外して食べ始めた。食事が終わるとすぐにマスクを着けた。

 給食は児童生徒の健やかな成長や健康を支える役割がある一方、感染リスクが高いという側面もある。明徳小では新型コロナの感染が拡大した2020年以降、最低限の会話、換気、机の間隔を空けるなどの対策を徹底。密を避けるため、配膳を順番制にしたり、少しの会話も禁止したりしたこともあったという。

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