生息数激減「ホウシャガメ」公開 おもちゃ王国、保護飼育の5匹

おもちゃ王国内の「自然学習センター」で一般公開されている5匹のホウシャガメ

 絶滅の恐れがあり、ワシントン条約で国際取引が禁じられているリクガメ「ホウシャガメ」5匹の一般公開が、玉野市滝のレジャー施設・おもちゃ王国で始まった。動く姿を間近で観察することで子どもたちに命の大切さや生物多様性について考えてもらう。

 いずれも雄で、最も体格がいい「キング」、水に入るのが好きな「アクア」、力持ちの「ハルク」、食いしん坊の「ポコ」、小柄な「こつぶ」。

 アフリカ南東部の島国マダガスカルから販売目的で国内に密輸され、押収された5匹は、環境省の手続きを経て一般社団法人エコロジー・カフェ(東京)が保護。同カフェ法人会員のおもちゃ王国が委託を受けて昨年から保護飼育しており、約1年かけて公開の準備を整えた。

 園内の絶滅危惧種保護教育拠点「自然学習センター」で9日から展示。ぽこぽこと盛り上がり、特徴的な放射状の模様が入った甲羅の長さは30センチ前後。リンゴやトマト、キャベツといった果物・野菜類を競い合うように食べる姿をガラス越しに観察でき、岡山市の保育園女児(4)は「いつも見るカメさんより大きい。触ってみたい」と見入っていた。

 今後、餌やり体験などのイベントも予定する。ホウシャガメはペット目的の乱獲などで生息数が激減しており、おもちゃ王国は「遠い国で暮らし絶滅の可能性がある生き物に触れることで、子どもたちが生態系や環境保全に関心を持つきっかけになれば」としている。

 開園中は常に公開している。

© 株式会社山陽新聞社