無理のない範囲で節電を 電気代高騰の中 冬本番 今すぐできることも

ロシアによるウクライナ侵攻や深刻化する円安…。影響は、燃料高を招き、電力各 社は、電気代の値上げを申請しています。

中国電力 瀧本夏彦 社長
「心ならずも申し上げますが、低圧部門の規制料金につきまして値上げをお願いさせていただく」

こうした中、光熱費を抑えるため、住宅のリフォームが注目を集めています。

トータテリフォームセンター 菅野圭 社長
「今ある窓の中にもう1つ “内窓” という形で窓を取り付けする。ひと月の電気代がだいたい1600円くらいお得になるといわれています」

きょうのテーマは、『電気代高騰の中で冬本番 無理のない範囲で節電します』

朝から暖房をつける寒さです。電気代も上がって、今月の電気代が心配です。政府は、3月末まで冬の節電を要請していますが、きょうは、「今すぐにできる節電」「中長期的にできる節電」、両方について考えてみます。

□ リフォームを使って、長い目で見た節電方法

広島市のトータテリフォームセンターです。住まいの省エネ化で夏も冬も快適に、そして「お得」に過ごすことを提案します。

まずは、熱の出入りが大きい窓のリフォームです。

トータテリフォームセンター 菅野圭 社長
「こちらの既存の窓なんですけど、通常、冬の暖房時にこの開口部、窓から熱が58%逃げるといわれております」

「ですので、手軽に断熱性を上げられるということで、今ある窓の中にもう1つ “内窓” という形で窓を取り付けするということをお薦めしております」

「既存の窓の内側の枠を利用して、新しく樹脂の枠を付けて、二重に窓を取り付けするという工法になります」

節電効果は、窓が9つある一般的な家庭で電気代がひと月でおよそ1600円下がるといいます。費用は、子ども部屋の窓で7~8万円程度、取り付け時間も1時間ほどで済むそうです。

窓と同様に熱の出入りがあるのが玄関のドアです。

このリフォームは、元の扉の枠は残して、その中に断熱材が入った新しい玄関ドアを入れるという工法です。

そして、今のトレンドは、ドアの中にドアを付けること。

トータテリフォームセンター 菅野圭 社長
「この玄関戸を採用していただけると、玄関は閉めていて、鍵も閉めておいたうえで、ここの小窓から風が通っていくと。風の力によって室内の熱い空気を入れ替えるということが可能になっております」

夏は涼しく、冬も小窓が二重のガラスになっているので…。

菅野圭 社長
「冬場においても閉めていただければ、今まで以上に暖かい玄関となっております」

工期は1日で済み、費用は55万円から60万円が目安だそうです。冷暖房での省エネが期待できます。

続いてはお風呂です。

古いお風呂からユニットバスにまるごとリフォームするには、120万程度はかかるそうです。

でも、快適指数はうなぎ上り? 例えば、この浴槽の場合の保温効果を見ると―。

トータテリフォームセンター 菅野圭 社長
「断熱材を巻くことによって、通常、お湯張りしたお風呂の温度は4時間で約2.5℃しか下がらないといわれております。例えば、子どもさんが夕方6時ごろにお風呂に入りたい、沸かして入ります。その後、お父さんが夜、ちょっと一杯飲んで、10時過ぎくらいに帰ってきたときでも、温度としては2.5℃しか下がっていないですから、ほぼ冷めたお風呂に入ることなく、快適にお風呂に入れるという状況になります」

住宅のリフォームによる節電。費用はかかりますが、長い目で見れば「快適な上にお得」という効果を生みそうです。

そんな費用は、今すぐ用意できないという方も少なくないはず…。国は、家庭で今すぐできる節電方法をいくつか紹介しています。

□ 照明で節電
不要な照明はすべて消す。これで節電効果=電気の削減率は4.5%になるといいます。

家族そろってリビングで過ごし、人のいない部屋の照明を消すなど、ライフスタイルの見直しが節電を後押しします。

□ 暖房の使い方で節電
冬の家庭の電気使用のうち32%余りを占め、最も高い割合となっているのが暖房です。

重ね着をして、エアコンの設定温度を22℃から20℃に下げた場合、電気の削減率は2.7%と効果があります。

□ 冷蔵庫だって…
冷蔵庫でも節電はできます。扉を開ける時間を減らし、設定を「強」から「中」にすることで削減率1.5%。

□ 暖気を逃がすな
部屋の暖かい空気を逃さないように窓に掛けるカーテンを厚手にすることも節電につながります。削減率は0.8%。

身近なところでこつこつと…。小さな積み重ねが、懐具合を助けます。

最後に、政府が補助金で後押しする節電キャンペーンについて経済産業局に聞きました。

節電でポイントが還元されます。

中国経済産業局 電力・ガス事業課 矢田照雄 課長
「具体的には各小売事業者等が提供します『節電プログラム』に12月31日までに登録していただきます。そうすることによって、参加特典として一般のご家庭では2000円相当のポイントなりですね、付与されるということになります」

この参加特典に加えて、節電実績に応じた達成特典もあります。

矢田照雄 課長
「12月から3月の間、前年の同月比で3%以上削減をしていただいた方には、月ごとで1000円相当の対価を支払うというメニューも用意しております」

日ごとに募る冬の寒さ、家計のためにもエネルギーの確保のためにも1人ひとりの「節電意識」が問われます。

― 節電のポイント付与については政府の補助事業のほかにそれぞれの小売事業者独自の特典もありますので、契約している会社に確かめることをお薦めします。いろいろと節電は考えていきたいが、無理のない範囲でやっていく…。これも大事なことかと思います。

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