埼玉で過去最大の殺処分へ…鳥インフルで19万羽超 農場から半径10キロ以内の制限区域に309万羽飼育

深谷市内の採卵鶏農場での作業の様子(県提供)

 16日に埼玉県深谷市内の採卵鶏農場で感染力や致死率が高い高病原性鳥インフルエンザの感染疑いがあった事例について、県は17日、遺伝子検査の結果、陽性が確認されたと発表した。同日午前8時から、同農場で飼育する鶏約19万4千羽の殺処分などの防疫措置を開始した。県内での確認は今季初めてで、殺処分数は県内過去最大規模。

 県畜産安全課によると16日に、同農場から「死んでいる鶏の数が増えた」と熊谷家畜保健衛生所に連絡があった。同日に鶏計76羽が死んでいるのが確認され、簡易検査で13羽中9羽が陽性だった。さらに遺伝子検査を実施した結果、17日に「H5亜型」の鳥インフルエンザウイルスが検出された。

 結果を受け、県は鶏約19万4千羽の殺処分や汚染物品の処理、消毒などの防疫措置を開始。また、同農場から半径3キロ以内を移動制限区域、半径10キロ以内を搬出制限区域に設定した。防疫措置は23日に終了する見通しで、予定通りに進めば搬出制限は来年1月3日、移動制限は同14日に解除される。

 大野元裕知事は17日、県庁で野中厚農林水産副大臣と会談し、会見で「今後は広がらないことを念頭に置きながら作業をするが、危機管理なので最悪の事態を想定し、迅速な初動対応、ウイルスの早期封じ込め、監視体制の強化の3本柱を県庁一丸で、国の協力も頂きながら進めることが極めて重要」と述べた。

 また県は、搬出制限区域内で鶏約31万羽が飼育されていると説明していたが、17日に309万羽と訂正した。

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