埼玉パナソニック逆転白星発進、熊谷熱狂 ベーグル店は試合前に売り切れ 梅林堂はチケ提示で人気商品贈呈

開幕戦に勝利した埼玉パナソニックワイルドナイツの選手に声援を送る大勢の観客たち=17日午後、熊谷市上川上の熊谷ラグビー場

 ラグビーリーグワンの埼玉パナソニックワイルドナイツは17日、埼玉県熊谷市上川上の熊谷ラグビー場で、今季開幕戦を東芝ブレイブルーパス東京と戦い、22―19で勝利した。昨季は新型コロナウイルスの影響で開幕直後の2試合が不戦敗となったが、今季の熊谷は開幕直後から来場者を歓迎する雰囲気が上昇。ファンたちは「連覇を目指してほしい」とエールを送り、ラグビータウンは熱狂の渦に包まれた。

 熊谷ラグビー場にはこの日を待ちに待っていたファン1万557人が来場。坂戸市から同僚と訪れた会社員関口厚子さん(53)は「いきなりの好カードで、楽しみだった。全勝で突っ走ってほしい」と期待。さいたま市から娘(8)と一緒に訪れた会社員坂田康幸さん(45)は「いい試合を戦い、勝ってほしい。今季も優勝して連覇を」と声援を送った。

 開幕戦は相手チームのリーチ・マイケル選手にトライを決められるなど、序盤からリードされる苦しい展開だった。だが、ワイルドナイツは徐々に盛り返し、左膝前十字靱帯(じんたい)断裂から約7カ月ぶりに復帰した松田力也選手のトライや同市出身の山沢拓也選手(深谷高出)のペナルティーゴールなどで逆転勝利した。

 会場に出店した地元のベーグル店「ウスキングベーグル」を営む臼杵健さん(46)は「用意したベーグルが試合前に売り切れになったのもあるが、経済効果も含めてワイルドナイツのすごさを改めて感じた。こんなチームが地元にあるのはありがたいし、今シーズンも勝ってもらえれば」と話した。

 リーグワンの開幕戦に合わせて、来場者に気持ち良く散策してもらおうと、「第5回街なかキレイにスクマム!」と題した清掃活動も市内で17日に実施。熊谷駅から熊谷ラグビー場までの「ラグビーロード」を中心に行われ、市や地元企業などで組織する同実行委員会が主催した。

 星川広場に集合した参加者約50人はトングを使って路上のごみを拾い集めた。同会の松岡秀実会長(52)は「大勢のファンが来場するので、少しでもきれいになれば」と語った。菓子店の梅林堂ラグビーロード店では開幕戦チケットの提示者に生サブレ「やわらかゴールドプレーン」を贈呈した。

 熊谷の玄関口である熊谷市筑波2丁目のJR熊谷駅構内はワイルドナイツの装飾アイテムがお目見え。ワイルドナイツが来場者の歓迎やホストタウンにおけるチームの応援に向けた機運醸成を目的に市と協力して実施した。

 北口階段にはチームのロゴや選手などが入った階段アートが登場。改札付近や南口通路に懸垂幕や横断幕も飾られ、「RUGBY TOWN KUMAGAYA」やラグビータウン熊谷のマスコットキャラクター「スクマム」もデザインされている。設置は来年5月末ごろまでの予定。市ラグビータウン推進課は「ホストタウンとして、できる限り応援をしたい」と力を込めた。

埼玉パナソニックワイルドナイツのロゴや選手などがデザインされた階段アート=17日午前、熊谷市筑波2丁目のJR熊谷駅

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