お茶専門店、県から全国へ 創業者の1人は県内出身 「好き」詰まった商品製造 【実はとちぎで作っています】①LUPICIA宇都宮工場

ルピシア宇都宮工場

 国内外に約150店舗を展開するお茶専門店「LUPICIA(ルピシア)」。都内で目にすることも多く、オシャレで高級なイメージがある。その工場が栃木県内にあると知り、訪ねてみた。

 ルピシアの前身である「レピシエ」は1994年に設立された。創業者の1人が宇都宮市出身であったことから、同市南部の雀宮地区に生産工場をつくった。事業展開に合わせて工場の規模も拡大した。現在は上三川町にある工場団地の一角に「宇都宮工場」を構えている。

 お茶の加工作業を行う同社の工場は本県と滋賀県のみ。日本を含む世界各地から仕入れた茶葉と出来上がった商品は、基本的に第一工場である宇都宮工場に集められ、各店舗などに送っている。

 工程は最初、茶葉に混じった砂や石などの異物を取り除くクリーニングを機械と手作業で行う。細菌などの目に見えない物の除去は茶葉の生産地で実施済みのため、1日につき、約1トンの茶葉をクリーニングできるのだという。

 クリーニング後は、混合・撹拌(かくはん)機で独自のレシピに沿ったブレンドティーを製造する。出来上がったお茶は袋詰めにし、ラベルを貼り付ける。

 工場にある専用機械は、茶を詰める袋を作る機械も含めて約30台ある。石井歩(いしいあゆみ)工場長(49)は「人の手もすごく重要。機械だけだと異物を完全に取り除くことは難しい。会社専属のデザイナーが作ったパッケージの組み立ても、専任のスタッフが一つ一つ丁寧に行っている」と説明する。

 今回特別に、包装作業中の現場をのぞかせてもらった。ドアの向こうに一歩踏み入れると、甘いイチゴのようなフレーバーティーの香りが全身を包み込んだ。パッケージを組み立てるスタッフの手は素早く、まさに熟練の技だった。

 石井工場長は「工場で働く人たちはみんなルピシアが大好きで、ブランドイメージを損なわない品質や見た目を維持するために日々努力している。『好き』の気持ちがお客さまの喜びや満足につながっていると思う」と力を込めた。

 そんな熱意も詰まった製品が並ぶ店舗にも向かった。FKD宇都宮店(宇都宮市今泉町)内のルピシア宇都宮店は98年2月に開店した歴史ある店舗の一つ。年間約400種類の茶葉を販売しており、病院が近いことなどから、ノンカフェインの商品や緑茶も多く売れるという。

 佐藤江梨奈(さとうえりな)店長(31)は「どんなお茶を飲んでみたいか、お声かけいただけたら、それに合わせた茶葉をご提案させていただきます。ぜひ、お気軽にご来店ください」と温かい笑顔をみせた。

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 県内には宇都宮店(FKD宇都宮店内)と、宇都宮インターパーク店(FKDインターパーク店内)の2店舗がある。ルピシア宇都宮工場では、工場見学などは行っていない。

◆ルピシア宇都宮店「人気のお茶ランキング〈ベスト5〉」

コンベアで流れてくる茶葉に混入した異物を、手作業で取り除いていく
アソードギフトの包装作業
ルピシア宇都宮店
人気商品を紹介する佐藤店長

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