殺処分鶏の埋却地から液漏れ、悪臭…住民「食事もままらない」 鹿児島県が不備認め謝罪、死骸埋め直し検討 鳥インフル

埋却地から漏出した液体で汚染されたため池=18日、出水市野田

 鹿児島県出水市野田の養鶏場で発生した高病原性鳥インフルエンザの殺処分埋却地から液体が漏出したとみられる問題で、県は18日、地元自治会に状況を説明し、防疫措置の不備を認めて謝罪した。今後、鶏の死骸などを掘り返して別の場所に移すことも含め対応を検討する。

 埋却地は採卵鶏41万羽を飼っていた発生農場に隣接し、農場経営者が準備した。県は11月27日から殺処分を始め、死んだ鶏や農場内に残っていた卵、飼料など計930トンを埋め、12月8日に防疫措置を終えていた。

 その後、11日になって住民から「悪臭がする」との苦情が寄せられ、埋却地近くのため池に消石灰混じりの液体が流れ込んでいるのが確認された。現在は土のうを積むなどの応急措置を取っている。

 説明会では、県畜産課の大薗浩之家畜防疫対策監が「漏出の原因は分かっていないが、こうした結果に対して大変申し訳なく思っている」と謝罪。埋却地として適当だったかについても「(指導する立場の)県として反省すべき点がある」と述べた。

 住民からは「埋却前の状態に戻してもらわないと納得できない」「(悪臭で)食事もままならない。誰が責任を取ってくれるのか」など厳しい意見が相次いだ。

埋却地からの液体漏出について説明する県畜産課の大薗浩之家畜防疫対策監(左端)=18日、出水市野田

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