大自然の中で時間を忘れて過ごしていたいキャンプ。気づけばチェックアウト時間が迫って慌てたことはありませんか?バタバタすると忘れ物をしたり、せっかくのキャンプが台無しになることも。そこで今回は、筆者が普段のキャンプで実践している「撤収に時間をかけないコツ」や「効率的な片付けの順番」などをご紹介します。
キャンプのチェックアウトに慌ててしまう要因
チェックアウトタイムにバタバタしてしまった経験が筆者もたくさんあります。
理由は、
- 寝坊や二度寝でスタートダッシュが遅れた
- 朝ごはんで時間をとりすぎた
- ギア類の片付けに時間がかかった
- 撤収にかかる時間や段取りを把握できておらず、迫りくる時間に追われ思考停止
- 来た時より荷物がボリュームアップしてしまい車に収めるのに時間がかかった
などで、今も突発的に何かが起こります(笑)。
キャンプを始めたばかりの頃は、ほとんど手探り状態で撤収に時間がかかっていました。
目覚めてから、チェックアウトまで時間は限られています。いかに上手に時間を使うかがポイント。
以下、タイムテーブルとともに、筆者が実践している撤収時短術を紹介していきます。
【キャンプの片付けの順番】起床〜チェックアウトまでの撤収タイムテーブル例
朝の時間を無駄なく使うには計画性もある程度必要です。とくに、キャンプを始めたばかりだと、スケジュール感がつかめず無駄な動きをしてしまいがちです。
まずは、片付け作業全体の流れをつかみ、イメージトレーニングしてみましょう。
キャンプは同じことの繰り返しのようで、場所や気象条件などによって作業の内容がかわります。
今回は以下の設定をもとに撤収の順番やタイムテーブルを解説していきます。
- 初心者のデュオまたはファミリー
- オートキャンプ
- 11:00チェックアウト
- 天気は晴れ、無風
それぞれの作業に余裕を持たせ、朝食を食べ終わってから約3時間で車への積み込みを終える初心者さん向けのプランです。
【タイムテーブル(初心者さん向け)】
- 6:00 起床
寝具(寝袋・マットなど)を干す、着替えをして衣類など片付け、テントの入り口をあけて換気、テントの夜露を拭いて乾かす - 6:30 朝食準備
(なるべく簡単なものを) - 6:50 朝食、コーヒータイム
(朝食はしっかりとって撤収作業に備える) - 7:20 食器、調理道具の片付け、各種ギアの片付けやパッキング
(テント内外のものをすべてパッキングする) - 8:30 テント内の荷物をテントの外へ運び出す
(ブルーシートの上などに並べておくと車に積み込みやすい) - 8:45 テント・タープ・テーブル・椅子の片付け
- 10:30 車へ積み込み、忘れものチェック
(ペグの抜き忘れ、部品のしまい忘れに注意) - 10:50 受付で手続き
- 11:00 チェックアウト
いかがでしょうか。時間が余りそうに見えますが、要領がつかめるまでは余裕をもったスケジュールを組むことをおすすめします。
慣れてくると、どんどん早く撤収できるようになるのでいろいろ工夫してみてください。
次に、筆者がキャンプの撤収で工夫していることを紹介します。
【キャンプ片付けのコツ1】寝坊しないために:夜ふかし・深酒・二度寝をしない
最終日も自然に囲まれゆっくりゴロゴロしたいところですが、チェックアウトの日だけは早く起き上がりましょう。
早起きのコツは
- 夜更かしをしない
- 夜に深酒をしない
- ぐっすり眠れる寝具を使う
といったことがあげられます。
キャンプ地で眠りが浅い人は、マットや寝袋を見直してみるのもいいかもしれません。
ただし、寝心地がよすぎて二度寝したい誘惑に負けてしまうかもしれないのでご注意を。
▼サーマレスト「ネオエアーXライト」
【キャンプ片付けのコツ2】朝食は簡単にできるものを
どんなに時間がないからといって、朝食抜きはおすすめしません。撤収作業に必要なエネルギーが枯渇してしまうからです。
かといって、品数が多い豪華メニューも考えもの。
セッティングや洗い物に時間をとられると撤収時間が短くなってしまいます。前夜の残り物や手のかからないメニューで時短をめざしましょう。
朝はガスコンロが便利
キャンプの熱源はいろいろありますが、朝食に一番のおすすめはガスコンロです。
火起こしの手間もいらず、安定した火力で朝食づくりがスムーズになります。家庭で使い慣れている人も多いのではないでしょうか。
▼イワタニ「カセットフー タフまる」
究極の時短メニューは火を使わないこと
温かいものを用意しようとすると、鍋やフライパンなどの洗い物が増えてしまいます。
そこで、火を使わずに食べられる菓子パンなどが重宝します。
前夜にお湯を沸かして保温ポットにいれておけば、翌朝はあたたかいコーヒーやスープと一緒に食べられます。
紙皿やラップなどで洗い物を減らす工夫を
朝は炊事場が込み合うことも多いです。少しでも時間を節約したいところです。
紙皿・紙コップを使ったり、皿の上にラップやアルミホイルを敷いて使い終わったらゴミとして処理すれば洗い物を減らせます。
チェックアウト当日の焚き火は避けるのが無難
寒い朝は焚き火をしたくなりますが、火が消えるまでに少なくとも2~3時間かかるといわれます。
すぐに消そうとして、燃えている薪や炭に水をかけると高温の水蒸気や煙が大量に発生し、やけどをする危険があります。
だからといって、キャンプ場に放置するのはもってのほか。焚き火終了の時間をしっかり考慮し、安全に扱いましょう。
撤収に慣れるまでは、チェックアウト当日は焚き火はしない方が無難です。
確実に早く火を消すなら火消し壺がおすすめ。
▼キャプテンスタッグ「火消し壺火起こし器セット」
【キャンプ片付けのコツ3】ギアは厳選してこまめにしまっておく
キャンプにもっていくギアを選び、荷造りするのは時間がかかります。同じように、使ったギアをしまっていくのにも時間が必要です。
持っていくギアを厳選する
愛用のギアに囲まれると幸せいっぱいになりますが、ギアの数が増えれば増えるほど、片付けに時間がかかります。
滞在時間やチェックアウトまでの時間に応じて、そもそもキャンプに持っていくギアを取捨選択しましょう。
使い終わったものからしまっていく
使わないカトラリー、おもちゃ、着替え終わった服などは、ケースやバッグにしまっていきましょう。
これは、チェックアウト当日といわず、前日から心がけたい時短術です。
▼アルバートル「マルチギアコンテナ」
子どもにもできるお手伝い
子どもに、もしお手伝いしてもらうならこんな作業はいかがでしょうか。
- ペグの抜き忘れやゴミの拾い忘れがないかパトロール
- 抜いたペグの大きさや向きをそろえて並べる
- ペグやガイロープなどの数を数える
- 寝袋などの軽いギアを運ぶ
子どもは細かい作業が得意です。いずれも周囲の安全確認は欠かせませんが、共同作業の楽しさや達成感を味わえます。
【キャンプ片付けのコツ4】撤収時間は余裕を持って見積もる
キャンプギアは「すぐに片付く」というのは大きな勘違い。
筆者もいろいろな失敗をしてわかりましたが、テントやタープには細かい付属品があり、撤収は予想以上に時間がかかります。車への積み込み時間なども忘れがちです。
また、天候にも大きく左右されます。雨や風の強い日は寝袋やテントを干せなかったりと、特に注意が必要です
テントやタープの撤収は想像以上に時間がかかる!
テントやタープのポールやガイロープをはずしたり、ペグを抜くのに意外と時間がかかります。
簡単に設営できるものが簡単に撤収できるとは限りません。取扱説明書を見なくてもできるように事前の練習をしておくことをおすすめします。
ギアごとに片付け時間を記録しておくと次に役立つ
テントやタープ、ランプ、キッチン周りのギアなど、片付けるのにだいたいどれくらい時間がかかるのかざっくりとでも記録しておけば、次回のスケジューリングに役立ちます。
【キャンプ片付けのコツ5】収納ボックスや車の荷室はスペースを空けておく
撤収が不慣れなうちは、どうしても時間がかかってしまいます。
チェックアウトタイムが迫ってくると、時間優先でとにかく収納ボックスなどに放り込まないと間に合わない事態になることも。
解決策は、出発前の荷造りでは収納ボックスの空間にゆとりをもたせておくこと。さらに車の荷室もある程度余裕があれば安心です。
しまい忘れた小物をざっくり収納できるものがあると便利
最後に写真を撮りたい、コーヒーを飲みたいなど、最後まで片付かないギアもあります。
最後まで残ったギアやうっかりしまい忘れたギアを放り込める予備バッグやボックスがあると安心です。
来たときと同じように積み込む方法
出発前は時間があるので、収納や車への積み込みもきっちりできます。しかし、撤収時にあわててしまうとなかなかうまくいきません。
来たときと同じように積み込みたい場合は、車のそばにブルーシートなどを広げ、まずはその上にパッキングした荷物を一式並べます。
そして、来た時と同じような感覚で隙間なく積み込んでいきます。出発時に写真をとっておくのもおすすめです。
失敗も経験のうち!余裕のあるキャンプの片付けを目指して次に生かそう
キャンプの撤収作業はたいへんです。筆者もなかなか上手になりません。
しかし、撤収方法の正解はひとつではありません。天候やキャンプサイトの状況によっても左右されるので安全に、忘れものなく帰ってこれるように、自分の得意な方法で臨機応変にやりましょう。
今回ご紹介した撤収の時短術が少しでも役に立てばうれしいです。