余命宣告を受けたシングルファーザー 一人息子の家族を探す旅 「いつかの君にもわかること」予告

2023年2月17日より劇場公開される、ヴェネチア国際映画祭で4冠を獲得した「おみおくりの作法」のウベルト・パゾリーニ監督による7年ぶり監督・脚本作「いつかの君にもわかること」の、予告編が公開された。

予告編は、父親のジョンが息子のマイケルに起こされる仲むつまじいシーンから始まる。いつものように手をつなぎながら保育園へと登園をする二人。だが、マイケルから「ぼくのママは?」と質問をされ、ジョンはとっさに「ママは遠くへ行った」と答える。男手ひとつでマイケルを育てているシングルファーザーのジョンは、余命数カ月の難病を抱えており、自分が生きている間にマイケルの里親を探さなければならなかった。

徐々にジョンの病が進行していく中、まだ幼いマイケルに対して、「どんな生き物でもいつかは死んでしまう」ということを教えるジョン。里親探しを続ける中、「あの子にはどんな家族がいいのか。もし間違ったら…」と葛藤する日々を送るジョン。自分は息子の一番の理解者であり、どの里親が一番良いのかはすぐに分かると思っていたが、その確信が徐々に揺らいでいくジョンなど、愛する息子とのかけがえのない残りの日々を過ごしていく中で、決断を下さなければならないジョンの姿が収められている。

「いつかの君にもわかること」は、余命宣告を受けた父親と一人息子の“家族探しの旅”を描いた作品。窓拭き清掃員として働く33歳のジョンは、若くして不治の病を患い、余命はあとわずか。シングルファーザーとして男手ひとつで4歳のマイケルを育ててきた彼は、養子縁組の手続きを行い、息子の“新しい親”を探し始める。理想の家族を求め、何組もの家族候補と面会をするが、人生最大の決断を前に進むべき道を見失ってしまう。そんな彼は、献身的なソーシャルワーカーとも出会い、自分のふがいなさに押しつぶされそうになりながらも、息子にとって最良の未来を選択しようとする。

父親のジョン役を演じたのは、「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」のジェームズ・ノートン。わが子のために過酷な運命に立ち向かう姿を、寡黙な演技で体現。内面に抱える複雑な感情を表現している。息子のマイケル役は、100人以上に及ぶ候補者から見いだされた、本作がデビュー作となるダニエル・ラモントが務めている。ウベルト・パゾリーニ監督は、メロドラマや感情主義とは最大限に距離をおいた控えめな撮影手法を採用。敬愛する小津安二郎の影響を受けたという、余計な情景描写や登場人物の会話などを極力排する手法で、父子の心情の移ろいを丁寧に描き出している。

【作品情報】
いつかの君にもわかること
2023年2月17日(金)より YEBISU GARDEN CINEMA他 全国順次公開
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