大手町に巨大な緑地空間が誕生 かつての癒やしの“名物”復活への期待も

東京都心のオフィス街・千代田区大手町に巨大な緑の広場が誕生しました。多くの人に癒やしを届けた“大手町名物”も復活するかもしれません。

皇居近くに12月16日にオープンした「Otemachi One Garden(大手町ワンガーデン)」はおよそ6000平方メートルの緑地空間です。入り口には360度どこから見ても表情が違うフラワーアレンジメントの作品が出迎えてくれます。そして中に入っていくと、大手町のビル群の中、一面の緑が広がり、さらに奥には皇居までつながる緑の景色となっていて、都心ならではの景色のコントラストが楽しめます。

都心に誕生した緑あふれる広場はビジネスミーティングで使ったりイベント会場となったりと、さまざまな楽しみ方ができる憩いのスポットになりそうです。お昼時には今後、芝生の広場でヨガのイベントなども開催されるということです。緑地の中には階段状に水が流れる水辺のエリアもあり、かつて"大手町の名物”だった「カルガモが飛来する池」も復活しました。たまっている水はカルガモを受け入れる準備もできているということで、あとはカルガモの"引っ越し”を待つばかりです。

さらにお昼時には敷地内にキッチンカーが出店し、オープン早々多くの人でにぎわっていました。訪れた人は「都会の中の緑の様子がどのように演出されるかと思ってやって来た。すてき。また来たいなと思いました」などと話していました。

三井物産・新本社ビル開発室の王暁宜マネジャーは「葉っぱが落ちているからこそ空が澄んでいるとか感じつつ、樹形を楽しんでもらいたい。冬ならではの楽しみ方の一つなのかなと感じている」、三井不動産の大羽康允主事は「大手町で働いているオフィスワーカーはもちろんのこと、皇居ランナーの集合場所や終わった後にリラックスしてもらう場所としても想定できる。さまざまなシーンで利用してもらうことを期待している」と話していて、都心にいながら四季の変化を感じられるスポットとして親しまれそうです。

<大手町に緑地空間 災害時の役割も!>

大手町ワンガーデンは憩いの場としてだけでなく、さまざまな役割も担っているようです。

このガーデンには大きく3つの役割があります。まずは「環境への負荷の軽減」です。敷地内の樹木が二酸化炭素を年間およそ11トン分吸収してくれるということです。さらに「生物多様性」にも貢献します。皇居に生息する鳥や昆虫などの生物がこのガーデンでも生活できるような環境を整えています。そして、3つ目が「防災の機能」です。災害時には芝生広場などが帰宅困難者のとどまれる空間として機能する予定です。

都心で重要な役割を果たす施設が増えて、東京がさらに魅力ある街になっていくことを期待したいものです。四季折々の景色の変化も楽しみです。

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