世界自然遺産 奄美大島・三太郎線の規制1年、通行車両12%が事前予約せず 27日から台数緩和、住民専用枠も

夜間の車両規制が導入されている奄美市の三太郎線=同市住用

 環境省は19日、夜間通行を事前予約した車両のみに規制している鹿児島県奄美市住用の市道・三太郎線の運用状況を報告した。規制が始まった2021年10月からの1年間に3833台が通行し、12%の472台が未予約だった。同省は「繁忙期に現地で予約確認を続け、注意を喚起していく」とした。

 規制は世界自然遺産・奄美大島の環境保全と観光の両立のために導入。未予約割合が多かった月は、4月の20%で70台だった。年間の月別最大利用台数は規制前の831台(2021年8月)から461台(22年3月)に減り、混雑は解消された。

 周辺2線を含むアマミノクロウサギの交通事故件数は、1年前の5件から1件に減少した。ただ、22年11月以降に2件発生しており、「長期的な検証が必要」とした。

 規制は地元要望などを受け適宜変更している。12月27日から2週間、通行台数を1時間当たり4台から8台に緩和し、予約枠に住用住民専用の時間帯を1日1枠設ける実証実験を計画している。

アマミノクロウサギ

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