鹿児島市出身のシンガー・ソングライター長渕剛さん(66)が、病気と闘う患者やその家族、医療従事者を応援しようと、与次郎米盛クリニック(与次郎1丁目)の壁に力強いヒマワリを描き上げた。長渕さんは「瞬間に湧き上がる思いを全身全霊で壁にぶつけた」と話している。
長渕さんは2020年、新型コロナウイルス下の医療従事者を激励するライブを開催。昨年9月には、自身が通っていた唐湊幼稚園(唐湊4丁目)の園舎に燃えるようなヒマワリを描いており、報道を見たクリニックを運営する社会医療法人の米盛公治理事長が制作を依頼した。
壁画は赤と黄、青色のヒマワリ二輪が寄り添うように咲いている。患者と医者、看護師など、支え合う人の関係をイメージし、「僕は君のためにずうっとずっと咲くよ」というメッセージも添えている。15日から3日間、診療終了後から夜遅くまで作業。縦4.5メートル、横6メートルと迫力ある作品を完成させた。
長渕さんはヒマワリを、「灼熱(しゃくねつ)の太陽に挑みかかるように咲き、伸び上がる生命力がある花」と表現。コロナ下で疲弊する医療従事者に、「日本のために(僕と)共に頑張ってもらいたい」と呼びかけた。米盛理事長は「初めて病院を訪れる不安でつらい時、元気になって退院する時、壁画から勇気をもらってほしい」と語った。
同クリニックは現在、新型コロナ対策のため壁画の見学を目的とした入館はできない。